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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第44回

「飽きる」ということに慣れるということ

2018年5月。例年よりも気温が上昇し、青々とした空が広がる日々も増えている。

いまこの時期は、今年の新しい動き、仕事、相談が増える時期だ。現在もおかげさまで全国飛び回り、その「課題のフック」になるような問題を抱え、その課題解決に向けて動くかを検討中だ。

一方で、その町から外を出て、人口も事業も少ない場所で元気にやっている人たちに話を聞くと、また違った様相で、町の外の様子をうかがいながらも、自分たちの事業を進められている感触が大きい。単に「人が減っていること」が原因ではなく、「何を目指して」「どこに食の接点を持つのか」によっては、生き方も働き方も異なってくるのだと思う。

いま僕らが仕事の中で気をつけているのは「いつ『飽きがくる』のか」だ。どんな商品も、飲食店もお店も、飽きが来るとお客様は寄り付かなくなる。そこで事業者は「商品開発」「店舗開発」「教育しなおし」が求められ、ある一定期間をその時間に費やしていく。単純にビジネスとして捉えられる事業者、またそれを元にビジネスにつなげていく事業者にとっては良いことかもしれないが、地方都市のように「生まれてから酒屋」といった自社事業者、また「引っ越す」「業態を変える」などを考えてみたこともない事業者からすると「飽きられることに慣れている」ことが事業の本幹とも言える。

これを「老舗」「創業○周年」といった時間に置き換えられて、付加価値が増していく場合がある事業も少なくないが、現在、社会を賑やかされている事業売買の大半は「飽きが来ることに慣れていない」事業者と考えている。そうして考えると、僕らが手がけている仕事は「飽きが来ることに慣れる」事業であり、その事業との向き合い方、接し方が大事なんだと思うようにしている。必ずしも長くやる続けることが良いとはいえないが、「次の世代に残す」という思いが、その事業を継続していく手立てだと感じているのだ。

農業の最適化、飲食店の立ち上げ、酒蔵の再生。新たな事業の成り立ちは、改めて「それをどのように続けていくか」だと思う。そうした仕事に出会えることも、弊社の醍醐味だなと、つとに感じる。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp