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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第35回

北海道木古内からやってきたコッペパン屋

コッペパンって、にくい。ほんと、にくい。

なにがにくいかって、こんなオールラウンドで、誰にでも愛され、しかも安くて美味しいものはない。サンドイッチと比較しても食べやすいし、老若男女問わず、人気の商品の一つである。なかなか商品開発屋もこれを超えるパン食品を作るのには頭が痛い。

そんなコッペパン専門店が、昨年神奈川県にある市が尾(いちがお)という場所にオープンした。その名も「コッぺん道土(こっぺんどっと)」。北海道は木古内町というちいさな町で生まれた、地元人気店。オープン以来テレビでも取り上げられ、連日長蛇の列。警備員がでて、ご近所からもクレームがつくくらいの人気だ。主なラインナップは「ジャム」「惣菜」を挟んだ、いわゆる定番のコッペパン。オーダーから作り上げ、あっという間に、食べられる。中には10個、20個と大量買いするする人もいるから、お目当のものにたどり着くには時間がかかる。

もともと、なぜ北海道の小さな町から出てきたのか。木古内町は、2040年までに若年女性(20~39歳)の人口が半減する自治体=消滅可能性都市5位(日本創成会議・人口減少問題検討分科会による)だという報告がある。創業した近藤社長の思いは、「東京をはじめとする都会で、木古内町を発信するアンテナショップがほしかった。それに気づき、木古内を知ってもらい、足を運んでもらいたい」のだという。

確かに彼らの地元には「どうなんdes」という、アル・ケッチァーノ奥田政行シェフプロデュースのお店に併設させる形で「コッぺん道土」がある。この木古内でも、パン屋は大人気。朝から多くの人が並び、わざわざは1時間かけて函館から来られるひともいるのだとか。そこで成功体験が、彼らを都会に引き寄せ、さらにそこから木古内を含めた魅力の発信をしている。とても理にかなった展開だと思う。

確かに、市が尾店にはいると「木古内紹介コーナー」があり、特産品もいくつか置いてある。県単位のアンテナショップはあるのだが、今後は市町村や、民間が自分たちの手で地域おこし、アンテナショップを経営、運営していくのはありだろう。

実は、このお店のもう一つの人気商品がある。それがこの「ぱくぱく塩パン」だ。

特産である「みそぎの塩」を使い、秘匿サイズの小さなフォルムがかわいい。外はサクッ、なかはモチモチした歯ごたえ。ひと口いただくと濃厚なバターがふわっと広がり、塩っけもあり、なかなか楽しい。

今は行列もだいぶ治まっているようだが、狙い目は平日の夕方。パンがなくなりしだい閉店になるそうだが、選ぶ楽しさ、そして北海道木古内の一端を、ぜひ味わってほしい。

コッぺん道土:http://coppendot.com/

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp