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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第26回

旬の名残。長岡京タケノコの里で、今年最後のタケノコ掘り。

大学の先輩から、京都で野菜の卸をしている「アグリジャパン」、そして冷凍食品を展開している「ジャパンフード」を束ねておられる中井会長をご紹介いただいた。

発声一番「松田くん、5月3日にタケノコ掘りをするさかい、GW初日やけど、きてみいひんか?(この辺りは関西弁だと読みやすい 笑)」と。旬の名残も名残、この時期に残っているタケノコは全国見回しても他にはないし、本当に筍があるのか?と半信半疑ではあったが、なかなかこういう機会を得ることができないので、二つ返事で向かうことに決めた。

せっかくなので、良い体験ということもあり、弊社八百屋スタッフ2名を同行させることに決めた。ちょっとした京都日帰りの旅である。しかしGW最中ということもあり、朝から新幹線は激混み。

京都駅から乗り換え、アグリジャパンの方に車で案内されたのは、京都より西に移動した長岡京の山中一面に広がる竹やぶだった。そこではすでに、アグリジャパンのメンバーが総出で、場所にブルーシートがひかれ、テーブルが設けられ、その上に「オリジナルの筍御膳」が用意されていた。

すっかりタケノコ掘りと聞いて、軍手やら着替えやら持ってきたけれど拍子抜け、いきなり自然いっぱい、アウトドアでの「筍づくしのフルコース」を食べることになったのである。

中井会長の挨拶早々「筍の刺身」「筍煮」など、実は今年、ほとんど食べることができなかった筍を、朝採れまもなく湯がいて調理されたものを、やや旬の名残で、最盛期と比べると繊維質があるものの、甘みもあり、新鮮さを保たれた筍をいただくことができた。なによりこれだけの量を食べることは滅多にない。

また、今回この場所を提供してくださった、筍の生産者である五十棲(いそずみ)さんによる「筍掘り」の実践レクチャーも開催。弊社のスタッフも、初めて「堀(ほり)」と呼ばれる道具を使い、筍掘りに挑戦。テコの原理で掘り起こされた筍は、すでに旬が過ぎ去ったものではあるが、とても立派なものが掘り起こされた。

なにより五十棲さんが手を入れた畑の土壌は、非常に手が加えられていて、とても綺麗な畑だ。最盛期には、この一つの畑から1日200−300キロ収穫されるとのこと。毎日毎日筍が出ては収穫し、4月末から5月の頭まで続けられる。

この後5月にはすでに落葉を迎え、竹の伐採が始まり、また来年に備える。ふわふわとした土壌は稲わらが絨毯のように敷き詰められ、さらに肥料がまかれて疲れた竹畑を元気にする。こうした手間暇が美味しい筍を育てているのだ。

なかなか筍掘り自体に参加することもないのだが、長岡京の筍の存在を改めて知ることができ、非常に有意義な時間を過ごせた。特に消費地「京都」が近いこと、自然環境や水が良いことから、非常に良質な筍の産地である一方で、筍農家の後継者不足は深刻になりつつあり、かつ京都の農家の平均年齢は68歳とも言われている。(つまり、20−30代は若手ですらない状況)

いま地域の産地で起きていることは、単に販路を作ることや価値づけ、ブランディングだけではない。圧倒的に「地域づくり。人づくり。」が問題になっている。この業界、産地で生き残っていけるのか、はたまた、継承すべきものであるのか、さらに、産地を守るために僕らができることはなんなのか。一つ一つが鎖のように繋がっていて、どれ一つ過不足なく解決、検討すべき課題が山積みだ。しかし、そこで奮闘する若手生産者や商社がいることに、僕らは勇気付けられる。こうした地域のネットワークをより結びづけ、「foodnia Japan」の骨格を作っていきたい。

ちなみに、アグリジャパンさんは、「鈴かぼちゃ」の販売先としても有名です。実は気になっている商品の一つ。早速試してみようと思う。

アグリジャパン:http://e-loveland.com/

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp