Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第22回
本物のチョコレートを手に入れやすい価格で。究極のチョコレート作り。
先日、お世話になっているフレンチシェフ、「エディションコウジシモムラ」の下村シェフに誘われて、お菓子メーカーのmeiji(明治)さんにお邪魔してきました。
今回は、現在コンビニなどで発売されている「THE Chocolate(以下THE)」の開発チームのメンバーのお話を聞く特別な会に参加してきました。
Meijiさんといえば「ミルクチョコレート」を筆頭に、「アーモンド&マカダミア」「きのこの山」があまりにも有名で、どなたも一口でも食べた経験があると思います。今回勉強会で出された、この「THE」という商品は、まさに、meijiが総力をあげて作り上げた究極のチョコレートなんです。
カカオの産地から厳選を重ね、一枚のチョコレートに。最近「Bean to Bar」と呼ばれ、実店舗にてカカオ豆を焙煎、砕き、チョコレートをその場で作り上げる場面が増えておりますが、それを一般商材でなんと、90年前からやりきっているところがすごい。その味わいはもとより、香りや色艶、舌触り、どれをとってもこれまでのミルクチョコレートや市販のチョコレートとは格段に違うものでした。
またこだわりは、そうした素材だけではなく、チョコの形状を「スティック型」「ドーム型」「ギザギザ型」などを1枚の板チョコで表現されており、それぞれで味わいや舌触りに変化させるなど、細かいこだわりを感じました。
こうした取り組みは産地があってこそ。より良質なカカオ豆を手に入れるために、原産国にこだわり、そして継続的に良いカカオを手に入れるために、現地農園の改善や、意識改革を行なっているとのこと。現在「メイジ・カカオ・サポート」(http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/mcs/)を現在6カ国で実践されているそうです。自分も原産国に行きたくなりました!
今回の勉強会では、なんと実際にカカオ豆を焙煎し、その場でチョコレートをつくるという体験も行われました。砂糖を入れずに、作られたチョコレートは苦味と酸味が、豆の性質や状態によって、全く違うことを感じることができます。
そして最後に、世界的に非常に希少と呼ばれている「ホワイトカカオ」を使った「明治 ザ・チョコレート メキシコホワイトカカオ」をいただきました!
http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/whitecacao/
これは2017年2月2日(木)~5日(日)に東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)にて開催されるチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ東京 2017」において数量限定にて発売されたものです。しかも特別に「ホワイトカカオ」の生のものを試食させていただきました。「カカオはフルーツである」とはよく言ったものです。この味わいは、ぜひ一般でも販売してほしいなー。
カカオがチョコレートを面白くする。いま商品の差別化を図る際に、最も手っ取り早いのが、なんといっても「素材」です。この素材をいかに手に入れるかということを、大企業から小さな個人事業主まで、世界中、様々な人がチャレンジしています。コーヒーしかり、カカオしかり。とはいえ、この「消費」自体をどう捉えるかというのが大事だと思います。単に食べるだけではなく生産者も含めて繋いでいく。そして、その産地の良いものを、美味しいものに仕上げるのがパティシエや料理人、そして開発者のような「クリエイター」の存在が必要です。よくBtoBやBtoCと言われますが、僕は「AtoC」、つまり「Agriculture to Creator」、産地からクリエイターにどうやって「食物連鎖」をつなげていくのかが、新しい食品開発のキーワードだと考えます。
次はどんな産地とクリエイターと繋いでいくか。楽しみです。
Editon Kouji Shimomura: http://www.koji-shimomura.jp/
100&ChocolateCafe.: http://www.meiji.co.jp/sweets/choco-cafe/
明治ザ・チョコレート:http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/
松田龍太郎
2010年より株式会社oiseau(オアゾ)を設立。主に食にまつわる事業開発・店舗開発では、これまで50店舗以上を手掛け、一方企画・プロデュースの分野では、元テレビ局カメラマンとして、食に限らずメディア、PRコンテンツの発信、企画展開を得意としている。2020年4月より「奈良蔦屋書店」2階に「ブラッスリーアンド カフェ ウグイス」として新たなポップアップレストランを、そして同じく同月、青森県弘前市に開館予定「弘前れんが倉庫美術館」に付帯するカフェ「CAFE & RESTAURANT BRICK」を、それぞれ立ち上げ、運営・事業を作り上げている。
http://www.oiseau.co.jp