和食STYLE

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第18回

関東のおへそ、埼玉「大宮ナポリタン」を盛り上げろ!

東京を離れれば地方という感覚が正しいのかどうか、最近疑わしい。「地方創生」というキーワードを元に、都市と地域の格差を埋めるためにはどうすれば良いのか、それを「人」と「食材」で繋いでいけないかと日々考えている。

そう考えると東京もさることながら、埼玉県さいたま市大宮区の存在が気になるのだ。特に「鉄道の結節点」として東日本最強とも言えるだろう。元は、武蔵国一宮である氷川神社の門前町として、それ以後は中山道の宿場町として発展した大宮は、いまやJR東日本最大のハブであり、新幹線の結節点としても重要なポイントである。また、埼玉県から東京に通勤する人たちにとっても十分な通勤圏内で、東京と横浜の距離感と変わらない。けれど、港町横浜と比較すると観光地でもなく、これといった目立った土産ものも少ないのだ。

軒先マルシェの様子●

そんな中、大宮を愛する有志たちで、「現代の街道」として、昨年からマルシェ(軒先マルシェ:http://www.saitamas.com/)や、新幹線が繋ぐ各県からの名産を、大宮の商店街や飲食店に紹介するプロジェクトが始まっている。

雪下人参をPRする私●

その中でも、先日、青森県人代表として、12月から3月にかけて収穫される「雪下(ゆきした)人参」を紹介しに、「大宮ナポリタンの会」に参加してきた。

大宮ナポリタン●

かつて、「鉄道のまち大宮」として栄え、その周辺で働いていた鉄道員や工場マンがよく食べていたといわれるナポリタン。そんなナポリタンを、ご当地グルメとして復活させたのが「大宮ナポリタン」。いまこの活動が熱い。

大宮ナポリタン:http://omiya-napoli.jp/

そんなナポリタンに使える食材として、紹介したのが雪下人参なのですが、雪下人参自体は、雪の下から収穫される「にんじん」で、野菜とは思えないフルーティな甘さが特徴だ。

冬に収穫することにより、「にんじん」自体がもつ、寒さでも凍らないよう身を守る生理機能が働いて糖分が蓄えられ、野菜とは思えないフルーティな甘さをもった「ふかうら雪人参」が生まれる。収穫直後の「にんじん」は、糖度9度前後、高いものでは12度を超えるものもあります。また、一般的に時間とともに野菜の水分は蒸発しますから、その分糖度はさらに上がっていくこととになるのだ。

私もさっそく、自宅で「キャロット・ラペ(人参サラダ)」にしたり、筑前煮の具材としてザクザクと入れてみたりして食べている。雪下人参を美味しくいただくためのコツは、「オイル」の使い方だ。

人参に含まれる、「カロテン」が、油に溶けやすい性質をもっている。 サラダならオイルを使ったドレッシングをかけて、料理なら油いためや肉などと一緒に調理すると、体に吸収されやすくなる。特にこの時期の人参は美味しい。

手前味噌ながら、弊社の八百屋「八百屋瑞花」においても、人参フェアを断行。ぜひ2月いっぱいはFacebookページをチェックしてみてほしい。様々な種類の人参を仕入れながら、「1日1本、にんじんを食べる運動」を実施中だ。

https://www.facebook.com/yaoyasuika/

さて、大宮だが、北海道をはじめ東北や甲信越、北陸の食材を網羅し、これから新幹線就航の周年記念も相まって今後の展開から目を離せない。いま僕らが狙うのは、もしかすると東京より大宮かもしれない。

松田龍太郎

松田龍太郎

2010年より株式会社oiseau(オアゾ)を設立。主に食にまつわる事業開発・店舗開発では、これまで50店舗以上を手掛け、一方企画・プロデュースの分野では、元テレビ局カメラマンとして、食に限らずメディア、PRコンテンツの発信、企画展開を得意としている。2020年4月より「奈良蔦屋書店」2階に「ブラッスリーアンド カフェ ウグイス」として新たなポップアップレストランを、そして同じく同月、青森県弘前市に開館予定「弘前れんが倉庫美術館」に付帯するカフェ「CAFE & RESTAURANT BRICK」を、それぞれ立ち上げ、運営・事業を作り上げている。
http://www.oiseau.co.jp