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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第12回

日本のプロヴァンス?岐阜、中山道のパティスリーに出会う。

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さて、2016年も残り10日をすぎ、いよいよカウントダウンである。

先日、講演会に出演するために訪れたのが岐阜県可児郡御嵩町(かにぐん・みたけちょう)である。岐阜県は、東京—京都を群馬、長野ルートでつなぐ「中山道(なかせんどう)」が横断し、その宿場町として、御嵩町も存在している。

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街の雰囲気は、その中山道に旧市街地があり、趣深い街並みである。日本有数の道ではあるが、いまの中山道は、小径のような風情で、場所によっては、アスファルトではなく、砂利道が今もなお残っている。

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そんな中山道をたどって、御嵩町役場の方にぜひ案内したいと連れて行ってもらったのが、こちらの「La Province(ラ・プロヴァンス)」である。

http://www.la-province.com/

小さな丘の上に佇んでいるこの家屋が、まさにフランスの片田舎のようなパティスリーだ。

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このお店を経営しているのが、オーナーパティシエ渡辺さん。元々はお父様がこの山を切り開き、ラベンダーをはじめとするハーブ畑をはじめたことがきっかけだ。自身は名古屋で洋菓子を学び、この土地に戻り、ハーブ畑の横に小さなお菓子屋を開いた。

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いただいたのはプチフール、これもまた小さな洋菓子の数々。一つ一つどれを取っても丁寧に作られていて、このお店の雰囲気にぴったりだ。お客様も、僕らのような県外のお客様もわざわざドライブがてらくることもあれば、地元でも唯一と呼べる、お菓子の楽園にきては、会話を弾ませ、過ぎゆく時間を楽しんでいる。

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お店の調度品も、すべて渡辺さんのセレクトで、BGMまで世界観がきっちりしていて、その「ズレ」が全くないことに、違和感なく、むしろ心地よい空間に仕上がっている。

「よく最初から狙って作ったのでは?と聞かれると、そんなことはないのです。本当に小さなお菓子屋さんからはじめて、すこしずつ増築したり、スタッフを雇ったりして、ここまで来ました。最近では、隣に小さな小屋を建てて、小さなショップを作りました。ここも地元の人が商品を並べて、商売を始めようとしていますよ」

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地元がある人間は強い、と常々思うことがあります。

僕自身も青森に生まれ育ち、その「先天性」によって、かなりの恩恵を受けることが多いです。もちろん都会と比べると不便かもしれませんが、年を重ねるとその先天性に導かれて、今の人生に厚みが出ていると感じることがあります。

渡辺さんのお父様が開いたこの土地に、自分を重ねて、さらに熟成させることが素晴らしく、そこに根付いた大きな根っこは、いまより大きな木に、実になりはじめているという印象を受けました。

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この世界観こそ、ファンを作り、そしてこのお店を成立させている。地方にあるべきお店、見習うべきお店の一つだと思います。

ぜひ名古屋で時間がありましたら、そこから電車で1時間、さらに車に乗り換えて20分。ぜひ日本のプロヴァンスのパティスリーに足を運んでみてはいかがでしょうか。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp