和食STYLE

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第3回

離島にこそ、宝あり。食材の宝島、喜界島。

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この10月より、大手通信会社KDDI さんと鹿児島県喜界島町、喜界町商工会そしてNPO 法人離島経済新聞社が、離島の地域活性化をめざす「しまものプロジェクト」がスタートしたのはご存知でしょうか?

http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2016/10/12/2081.html

もともと日本は島国ですが、日本の領土と言われる島は、6852(!)島で成立しております。
これを国土交通省は「本土(本州、北海道、九州、四国、沖縄本島の5島のみ)」と「離島(残り全て)」と分けており、喜界島は、「離島」に属していると言えます。

島は豊かな自然と風土、そして文化が色濃く残る特性がある一方で、海に囲まれていることから、交通の便はもとより、流通が弱いこと、IT が発達しているとはいえ、情報発信がまだまだ弱いというのが課題になっております。

そんな中、離島経済新聞社(http://ritokei.com/)という、離島にスポットを当てたメディアがあるのですが、そことKDDI さんが中心となって作ったのがこのプロジェクトです。

今回は、主に食を中心とした喜界島の生産者をはじめとする事業者さんに向けて、販路拡大や商品PR の課題について、その基礎ややり方を学ぶ「しまものラボ」の講師として、人生国内最南端(実はお恥ずかしながら、鹿児島以南はまだ未開の地だったのです・・。)、「喜界島」を訪問するチャンスをいただきました。

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実際に講義のほか、喜界島を見学して歩きましたが、驚いたことに「どこまでいってもサトウキビ畑!」ということです。ちょうどサトウキビの背丈も大きく、収穫もこれからというところ、私の身長よりも高く、これが黒糖や砂糖へと変わっていくさまは、本当に楽しみです。

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「日本の美しい村」として認定された喜界島。集落の軒先では「島みかん」が、そしてちょうど収穫を終えて色づき始めた「島バナナ」など、この土地ならではのフルーツがふんだんに生っていました。

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海外のフルーツには負けない風味と味わい、そして糖度と旨味を感じることができ、まさに、この魅力をどうやって伝えて行くべきか、そしてどうやったらこの美味しさをみなさんにお届けできるか、と私も、八百屋のはしくれでございますので、いずれこの島々の「魅力」をお届けできるようになればと思っています。

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喜界島は、フルーツでもさることながら、「胡麻(ごま)」も盛んな地域です。白ごまの生産量は日本一。まさに最盛期を迎えております。島のいたるところでは、ゴマの収穫作業、そしてあちこちでゴマの天日干しが行われることから「セサミストリート(ゴマ街道)」と言われるほどです。

まさに食材の宝島です。離島にはまだまだ魅力的な食材、そして風土、文化があります。もちろん食べて地域に還元したり、支える活動もとても大事ですが、それはあくまでも「都会」「消費地」の発想。最近では、仕事の価値観も変わり、離島でも十分に仕事ができる環境もできつつあります。
生産者にならずとも、生産者を支える仕事を離島で作ることも、食産業においては重要なことだと思います。

日本の食は、奥が深い。魅力的な、食の国です。

松田龍太郎

松田龍太郎

2010年より株式会社oiseau(オアゾ)を設立。主に食にまつわる事業開発・店舗開発では、これまで50店舗以上を手掛け、一方企画・プロデュースの分野では、元テレビ局カメラマンとして、食に限らずメディア、PRコンテンツの発信、企画展開を得意としている。2020年4月より「奈良蔦屋書店」2階に「ブラッスリーアンド カフェ ウグイス」として新たなポップアップレストランを、そして同じく同月、青森県弘前市に開館予定「弘前れんが倉庫美術館」に付帯するカフェ「CAFE & RESTAURANT BRICK」を、それぞれ立ち上げ、運営・事業を作り上げている。
http://www.oiseau.co.jp