和食STYLE

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第2回

秘境奥島根弥栄。米の国日本、海外への挑戦。

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この時期の地方出張では、移動の大半を車で回ることが多いのですが、
その風景のほとんどが、田んぼです。

稲穂の頭(こうべ)が垂れ、お米の収穫がはじまりとともに、
秋の様相が見えるのが、日本の秋の風物詩です。

こうしてみると、本当に多くの地域でお米が作られていることがわかります。
ちなみに国内のお米の生産量は800万トンですが、ほぼ国内消費です。

いまどのこの地域でも、たとえば、青森県の「青天の霹靂 せいてんのへきれき」、新潟の「新之助 しんのすけ」など新種を始めとする「新米」の進出、コシヒカリやササニシキといった定番商品もあり、食べ手である僕たちは、何を選べば良いのかという贅沢な悩みが生まれますね。

そんななか、各地域で起きているのが、「お米のブランディング」です。

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私もお米のブランディングにおいて、いま島根県浜田市弥栄という自治区で
今年生まれた「秘境奥島根弥栄」というお米に携わっています。

10月1日に販売を開始し、地元のほかに、東京目黒区にある「スズノブ」さんというお米専門店、また私が経営している東京・神楽坂「八百屋瑞花」でも置かせていただくことになりました。特にスズノブ西島さんには、このお米の開発当初から関わっていただき、このお米の特徴をとらえて、どんな料理、どんな食べ方まで提案いただいております。こちらの詳しい情報は下記のURLにて御覧ください。

URL:http://okushimane.jp/nishijima/

もちろんお米は美味しい方がいいに決まっています。それは野菜もそう。けれども地域を救うには、キチンとした雇用をもたらし、次世代につないでいくことです。それはお米の味やパッケージデザインではなく、「地域づくり」 であり、食業プロデューサーの仕事です。

これからお米を作る農家さんが減ることは確実です。ただ、弥栄のような、「手つかずの土地(=秘境)」は日本として海外から再評価されることは大いにあります。海外から水を買い付けにくる外国人もいるくらいです。わたしたちは「人口減」「雇用減」「後継者不足」と目の前の問題がどうしても見えてきますが、もう少し先、10年、20年先の地球、日本、という捉え方を始めなければなりません。

弥栄で起きる、お米や野菜で始まる地域づくり。
こうした活動をいま私は、日本各地で始めています。
今後もぜひレポートしていきますね。

松田龍太郎

松田龍太郎

2010年より株式会社oiseau(オアゾ)を設立。主に食にまつわる事業開発・店舗開発では、これまで50店舗以上を手掛け、一方企画・プロデュースの分野では、元テレビ局カメラマンとして、食に限らずメディア、PRコンテンツの発信、企画展開を得意としている。2020年4月より「奈良蔦屋書店」2階に「ブラッスリーアンド カフェ ウグイス」として新たなポップアップレストランを、そして同じく同月、青森県弘前市に開館予定「弘前れんが倉庫美術館」に付帯するカフェ「CAFE & RESTAURANT BRICK」を、それぞれ立ち上げ、運営・事業を作り上げている。
http://www.oiseau.co.jp