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光文社厳選!和食情報ナビ

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第25回

無糖、アルコール度数38%。ありそうでなかった唯一の梅酒が若狭に。

先日、「梅酒の海外販路相談」ということで、福井県は若狭(わかさ)町まで足を運んだ。

会社に入るなり、僕の目に飛び込んできたのは、この「BENICHU38°」(ベニチュー38ド)」という商品である。梅酒といえば、その甘さと飲みやすさが男女ともに人気が高いリキュールだ。ただ、この商品は、砂糖など糖類を一切使わない無糖の梅酒で、アルコール度数はなんと38%もあるのだ。

試飲させていただくと、飲み口はアルコール感が強いが、味わいには梅の酸味を感じさせ、香りもまた梅の香りが残っている。いわゆる「ドライ」な感じなので、食中酒としても十分合う。

ウィスキーや紹興酒のような深い味わい、ロックでもよし、水割りでもよし、酒好きにはもってこいのお酒だ。この訪問の直前には、香港で試飲会を開催、好評を博し、特に昨年からは中国大陸でも流通が生まれているという状況だ。

僕も意外だったのは、梅が福井の特産品であることだ。福井県の梅の生産量は全国の1~2%を占める程度に過ぎないが、日本海側としては一番の産地であり、特に福井県の梅栽培の歴史は古く、江戸時代末期に若狭町ではじまったといわれている。

栽培されている梅の二大品種は「剣先(けんさき)」と「紅映(べにさし)」。エコファームみかたの商品には、すべて「紅映」を使っているそうだ。品質は、紀州の南高梅に勝るといわれ、一時はその栽培が全国各地に広がったとのこと。しかし栽培の手間、栽培面積あたりの収穫量が少ないなどの理由から、現在その産地は、ほぼ100%福井県内に限られ、しかもその70%以上が紅映梅発祥の地である若狭町で栽培されているそうだ(★)。

商品を販売しているのは福井県若狭町にあり、梅酒や梅加工品を手がける「エコファームみかた」。甘くない梅酒は約4年前に発売し、3年前にBENICHUブランドにリニューアルしたという。むかし僕の祖母が、自宅の軒先に植えられた梅から実を収穫し、焼酎と角砂糖で漬け込み、梅酒にしていた。今回の梅酒は、「無糖」でかつ「アルコール度数が高い」こともあり、非常に興味深い。酒好きな方にはぜひオススメしたい。

(★)参考文献:渡辺 穀著「福井の梅 紅サシ」福井新聞社刊行

・エコファームみかた https://www.ecofarm.jp/

 

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第24回

地方を盛り上げていく人づくり。食が作り出す新たな雇用。

皆さんは、「バーチ・ディ・ダーマ(以下バーチ)」というお菓子をご存知でしょうか? イタリア語で「バーチ=キス」「ダーマ=貴婦人」⇒『貴婦人のキッス』という意味で、素敵な女性がキスをする時の口元に似ていることからこの名前が付けられたと言われている可愛いスイーツのことです。

このバーチですが、昨年G7伊勢志摩サミットにおいて、安倍総理大臣からG7各国首脳に対するおもてなしの一環として、コーヒーブレイクの機会に提供・紹介されました。

この商品を販売しているのが、1817年にイタリアのミラノで創業。約200年の歴史のなかで、著名なアーティストや音楽家など様々な人々に愛されてきたお店「COVA」です。現在、東京と名古屋にお店を構えており、イタリア好きの日本人に愛されるお店として人気を博しております。特にこのバーチはおもたせ需要も多く、生産が追いつかないという状況でした。

そんな中、昨年10月より、弊社がお手伝いさせていただいている、青森県西目屋村(にしめやむら)という青森県唯一の村との取り組みで、「村内に新たな仕事を作り、雇用や稼ぎを得る仕組みを提供する」一環として、「西目屋スイーツラボ」を立ち上げました。そのスイーツラボにて、このCOVA JAPANのバーチを製造しようという試みがスタートしたのです。

スタートは、まずは村内の製造工場の再稼働。新しいオーブンを入れ、バーチを製造する体制から整えることになりました。もともと村内にあった「味な工房」という加工場には、そば打ち場所をはじめ、様々な加工機材がはいっている施設だったのですが、そのスペックを十分に活かせる担い手がいないことから「開店休業状態」でした。

そんな遊休施設を活用し、今回再稼働につなげたのです。もちろん、新しいオーブンを使いこなせないのは重々承知なので、弊社からパティシエを一人先生として派遣。まずは「お菓子教室」という形で、村民の皆さんにオーブンやお菓子加工に必要な最低限の技術や機材の取り扱いを実践していただくようにしました。

そうするとどうでしょう。村から、おばあちゃんや、子育てママたちが集まってきました。最初は「この施設はどんな風に使われるのか?」「お菓子って本当に作れるの?」とか疑問の声が上がりましたが、やはり実際に稼働して初めて見えてくるリアリティがまさり、今度は村の若手も参加するようになりました。

そうこうするうちに、バーチ製造のめどが立ち、この2月から本格的に製造開始、実際に商品として、店頭に並ぶまでのクオリティを出すところまできました。現在、村の若手が男女2名、他の仕事の合間を見ながら参加、4月からはいよいよ個人事業主として、若手の彼らが新たな取り組みとして昇華していくことになるでしょう。

どうしても「商品開発ありき」となると「作りっぱなしで販売につながらない」とか「販路が生まれず、結果販売中止」とか「こんな製造場所があったら、ぜひ作って欲しい」といったお声がけや相談が多いなかで、私たちが一つの回答として取り組んでいる、地方での成果の一つです。僕ら自身でお店を作るのではなく、あくまでも「夢を作ろうとする人」をサポートすることに徹しております。もちろんサポートが必要でなくなれば、必要ないですから引くこともありますし、引き続き必要な場合はサポートを手厚く行います。

いま地方では「人材不足」と呼ばれておりますが、「人手不足」ではありません。なにより働き場所がないのではなく、「選択できる働き場がない」という認識です。特に食に関して言えば、食の都として日本はもてはやされておりますが、それはきちんと食材のことを理解し、調理提供できる一部のレストランに限られております。

なかなかインバウンドふくめ農家を訪ね、直接食材に触れて食べて仕入れてということは皆無ですし、そうした活動を拒む農家も多くいます。やはり、作り手は作り手、食べ手は食べ手といった役割があるように、きちんとした形で提供できる(もしくは製造できる)場が必要になります。特に、六次化において、全ての産業を1事業主で実施するのは無理があることがわかりました。確実に「規模産業」「市場主義」に陥り、多額な投資と返済に追われ、無理をして生産したり、使われて欲しくない、置きたくない市場に対しても挑まなければならない「消費の渦」に巻き込まれている事業者さんも、ここ数年多く見てきました。その多くは、補助金などで賄われる「設備への投資」です。

ハードに対しては、補助率や項目自体も手厚くサポートされますが、減価償却を経て、儲けが出るのは10数年後というパターンがほとんど。「10数年後の市場」においては、その商品や機材が必ずしも役に立っているかというのは、僕らも予測は不可能です。逆に2017年ということで考えると、2000年頃に流行っていたものが、どれだけ現在の市場に残っているでしょうか。

一方で「人口減少」は顕著です。であれば「人材不足」は、能力やスキルがある人間を積極的に地方に関わらせつつ、地方の底上げを行い、まずは「食のスタンダードを落とさない」ということを僕らはやっていきたい。スタンダードを上げることも両軸だけれども、地方の食生活を下げることは、これだけ食材がある日本において、大変な損失だと考えます。それは郷土食もしかり。いま伝えるべき次世代への食のバトンは、きちんとした連鎖のもとで繋いでいくことが、重要である。

このFoodnia Japanの視点は、そうした「次世代への食のバトン」もさることながら、この食の風景をどうやって残していくか、ということに他ならない。様々な視点がある一方で、それをどうしていくかという答えを出す方法をともに作り上げていくということがこれからの課題である。

まもなく桜も満開である。この日本の風景もまた、10年、20年、そして100年先に残すためにも、いや「残しておくべき」という議論に上げるためにも、日本の食を守らないといけない。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第23回

第一印象を大切に。

常々、僕が講演会や講義などを行うときに伝える言葉が「第一印象を大切に」という言葉です。これは「相手に見られる自分の見た目」ではなく、「自分が見た素直な目」のことです。置き換えるとしたら「直感」ですね。

僕が報道カメラマンだったとき、何より大切にしたのがこの直感でした。現場には、カメラマンは、他社はいても、同じ会社のカメラマンは余程の大きな事件でないと存在しません(もちろん大きな事件の場合は、役割が変わります)。

なので、その場で「何を感じ、何を見て、何を撮影するか」を瞬時に判断し、それをお茶の間のテレビで放送するという仕事は、そうした「冷静に判断し、直感を研ぎ澄ます」感覚が鍛えられます。もちろんそれはすぐにできるものではなく、何年も何十年も培ってこそできる技だと思います。

だからベテランカメラマンのカット(撮影の絵柄のことですね)は、新しくも、「これってどうやって撮影したのかな?」と明らかに僕が撮影したものと異なっていました。それが画面では全くわからなかったので、テープを借りては、わざわざカメラで再生し、ファインダーでみながら、自分の目を養ったものです。

一方で、皆さんの日常でもこの「直感」が研ぎ澄まされる瞬間はありませんか? それは「初めて見るもの」「初めて感じるもの」だと思います。

特に海外旅行でそうした経験をすることが多いのではないでしょうか。空港に降り立った瞬間、売店で水を買う瞬間、タクシーに乗る瞬間、スーパーマーケットに入った瞬間、レストランに入った瞬間。全てが新しいものだらけで、かつそこにはなぜか「熱」が入りやすいと思います。

熱が入ったものは「伝わりやすい」ですよね、どんなものでも。だから、SNSでも、自分とは違う世界、見たことのないものにはみなさん反応しやすいし、なにより、撮影している本人が「これアップしちゃおう」って思うくらい盛り上がっているはずです。僕はこんな瞬間を報道カメラマンのときに体験しました。

ただときにそれが、ルーティンになるときがあるのです。「これは受けるだろう」「これは見たことがないだろう」。そこに落とし穴があります。大事な情報が抜け落ちて、見る人の共感もさることながら、伝えなければならないことを見失いがちです。

今回の写真たちは、そんな日々の中で、僕が何気なく撮影した「食」の写真たちです。人が写っているものもあれば、「え?こんなのものあり?」という驚きまで。これはトレーニングでも、仕事でもありません(笑い)。僕はそういう癖になっている。。これが、地方での仕事や、今の食の仕事に役立っているといっても過言ではありません。

その視点(まさに視ると書きます)が、他の食関係の仕事の方とは異なる視点なのかもしれません。驚くほどの企画力やや調理技術があるわけではありません。この視点こそが、いま食の仕事に必要だと思っています。食の仕事は、僕らが生きている中では、決してなくならないものであり、もっともっと深掘りできるものです。これからさらに時代が進み、技術が進みます。だからこそ食の仕事は魅力的だと思っています。

Foodnia Japan、さらに「第一印象を大切に」、進んで行きたいと思います。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第22回

本物のチョコレートを手に入れやすい価格で。究極のチョコレート作り。

先日、お世話になっているフレンチシェフ、「エディションコウジシモムラ」の下村シェフに誘われて、お菓子メーカーのmeiji(明治)さんにお邪魔してきました。

今回は、現在コンビニなどで発売されている「THE Chocolate(以下THE)」の開発チームのメンバーのお話を聞く特別な会に参加してきました。

Meijiさんといえば「ミルクチョコレート」を筆頭に、「アーモンド&マカダミア」「きのこの山」があまりにも有名で、どなたも一口でも食べた経験があると思います。今回勉強会で出された、この「THE」という商品は、まさに、meijiが総力をあげて作り上げた究極のチョコレートなんです。

カカオの産地から厳選を重ね、一枚のチョコレートに。最近「Bean to Bar」と呼ばれ、実店舗にてカカオ豆を焙煎、砕き、チョコレートをその場で作り上げる場面が増えておりますが、それを一般商材でなんと、90年前からやりきっているところがすごい。その味わいはもとより、香りや色艶、舌触り、どれをとってもこれまでのミルクチョコレートや市販のチョコレートとは格段に違うものでした。

またこだわりは、そうした素材だけではなく、チョコの形状を「スティック型」「ドーム型」「ギザギザ型」などを1枚の板チョコで表現されており、それぞれで味わいや舌触りに変化させるなど、細かいこだわりを感じました。

こうした取り組みは産地があってこそ。より良質なカカオ豆を手に入れるために、原産国にこだわり、そして継続的に良いカカオを手に入れるために、現地農園の改善や、意識改革を行なっているとのこと。現在「メイジ・カカオ・サポート」(http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/mcs/)を現在6カ国で実践されているそうです。自分も原産国に行きたくなりました!

今回の勉強会では、なんと実際にカカオ豆を焙煎し、その場でチョコレートをつくるという体験も行われました。砂糖を入れずに、作られたチョコレートは苦味と酸味が、豆の性質や状態によって、全く違うことを感じることができます。

そして最後に、世界的に非常に希少と呼ばれている「ホワイトカカオ」を使った「明治 ザ・チョコレート メキシコホワイトカカオ」をいただきました!

http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/whitecacao/

これは2017年2月2日(木)~5日(日)に東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)にて開催されるチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ東京 2017」において数量限定にて発売されたものです。しかも特別に「ホワイトカカオ」の生のものを試食させていただきました。「カカオはフルーツである」とはよく言ったものです。この味わいは、ぜひ一般でも販売してほしいなー。

カカオがチョコレートを面白くする。いま商品の差別化を図る際に、最も手っ取り早いのが、なんといっても「素材」です。この素材をいかに手に入れるかということを、大企業から小さな個人事業主まで、世界中、様々な人がチャレンジしています。コーヒーしかり、カカオしかり。とはいえ、この「消費」自体をどう捉えるかというのが大事だと思います。単に食べるだけではなく生産者も含めて繋いでいく。そして、その産地の良いものを、美味しいものに仕上げるのがパティシエや料理人、そして開発者のような「クリエイター」の存在が必要です。よくBtoBやBtoCと言われますが、僕は「AtoC」、つまり「Agriculture to Creator」、産地からクリエイターにどうやって「食物連鎖」をつなげていくのかが、新しい食品開発のキーワードだと考えます。

次はどんな産地とクリエイターと繋いでいくか。楽しみです。

Editon Kouji Shimomura: http://www.koji-shimomura.jp/

100&ChocolateCafe.: http://www.meiji.co.jp/sweets/choco-cafe/

明治ザ・チョコレート:http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/

 

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第21回

われ、饅頭に未来を思う。神楽坂「マンヂウカフェ」にて。

日本三大饅頭のご縁から、岡山県にあります大手饅頭伊部屋「大手まんぢゅう」の大岸さんと、饅頭談義をしばしばさせていただいております。

実は、大手まんぢゅうさんも、今年の1月で180周年を迎えました。「おまんじゅう」という日本ならではの和菓子、もっというと、大陸、中国から「万頭」という形で伝わったものが、小豆を使ったお菓子に変化したのは日本でかれこれ600年前に生まれたとも言われています。(これは日本三大饅頭の「志ほせ饅頭」さんがその祖とも言われています)

そんなお饅頭も、100年、200年と受け継がれてきている一方で、この先100年、200年と受け継がれるかというのは、正直私たちもわかりません。

和菓子という日本独自のスイーツをどうやって次世代に繋いでいくか。そんなことを僕たち食に関わる人間、さらにお饅頭を扱っている企業さんにとっては重要な課題です。

そうした中、大岸さんと、「このカフェに行ってみませんか?」と足を運んだのが、弊社の地元神楽坂にある「ムギマル2 マンヂウカフェ」です。

建物は古く、2階にあがると、ところどころ隙間風が吹き、ちょうど伺った日は、雪が降るのでは?というくらい寒い日でしたが、若い女性で満席。風情というよりは、「面白がってきている」という印象です。

そこで出されるのは、ここの名物「マンヂウ」です。オーダーが入ってから作られる手作り饅頭は、一階のキッチンで、蒸されて作られます。僕らがオーダーしたのは、「よもぎ地にウグイスあん」「白地につぶあん」など。ほかほか出来立て、湯気が出ている饅頭が出てくるまで10分。コーヒーをいただきながら、不思議な食体験でした。

飲食店を出店する際に、「企画」は非常に大事です。

企画は立地条件をときにこえ、山奥や、路地裏など一見目につかないところに人を呼び寄せる力があります。企画は「流行」になりやすい一方で、「持続性」という部分では、それ相応のパワーが必要です。つまり「人」です。誰が作っていて、どんなものが提供されるか。

このマンヂウカフェは「企画モノ」と簡単に片付けるのは難しく、マンヂウを作る、初老の女性がまたいい雰囲気で、あたかもものすごく昔からあるような風情があります。また土地柄、コーヒーチェーンではなく、こだわりの喫茶店に行きたい、というお客さんも多いです。内装などもよく見ると、なかなかこだわりがあるなかで、とても自然な風合いになっています。

そこで食べる饅頭は、明らかに、これまでの和菓子体験とは異なります。これが正解ということはないのですが、20**年にフィットする饅頭の提供のあり方として「アリ」なのではと思います。これから和菓子や、アンコ、そしてまんじゅうと、視点の切り方、提案の仕方で随分変わるのだと思います。

逆にいまその流れに沿って、伝統を継続されている和菓子屋さんは、そうした努力や「変化」をしてこられているのではないでしょうか。饅頭で「流行」を作るのは、今の流行りにくっつけば簡単かもしれません。とはいえ、それが100年、200年と継続させるのは、同じところにとどまることはできない。どちらかというと「変化」を自らしていく強さが必要になるではないでしょうか。

以前、ラーメンチェーンの「一風堂」の会長である河原成美さんがおっしゃっていた言葉を思い出しました。「変わらないために、変わり続ける」。一商品、一企業が変わらずにこの時代に残っていくためには、変わり続けないといけない。そんなことを、大手饅頭大岸さんとお饅頭を食べながらふと思うのである。

マンヂウカフェ ムギマル2 http://www.mugimaru2.com/

大手まんぢゅう:http://www.ohtemanjyu.co.jp/

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第20回

最高の食材は地方にある。耕すシェフが作る「A級グルメ」のまち、島根県邑南町の挑戦。

以前お伝えした島根県浜田市弥栄地区の「奥島根弥栄」の定例会議に出席後、タイミングが合って、友人である佐藤さんのお店、「里山イタリアン AJIKURA( あじくら)」に行くことができました。場所は島根県邑智郡邑南町(おうなんちょう)。弥栄から車で1時間の距離、島根県西部、石見地方に位置し、中国山地の豊かな自然に囲まれています。

ここ邑南町は、「耕すシェフ」と題して、都市在住の農林業や食に関心のある人間が邑南町に移住・定住し、 オーガニックの野菜づくりやバラエティに富む食材生産から加工、販売、さらには飲食店の調理・運営スキルの研修のコーディネートなど食材の供給から、調理・加工までを一貫して、ひとつの新しいビジネスとして創出できる人材を育成しているユニークなまちでもあります。

そんな邑南町のイタリアンレストランを経営している佐藤聡さんは、それまで東京の有名なイタリアンのチーフマネージャーをしていました。当初は東京で独立開業を目指されていたのですが、たまたま佐藤さんが働いていたそのお店に食事来られた邑南町の職員の寺本さん(先日NHKプロフェッショナルで紹介された方です!)が、町のイタリアンレストランを立て直したい、ということで紹介したこの邑南町のお店を、一念発起、平成27年春に町から引き継ぎ、現在ご自身で耕すシェフを引き受ける研修先として、独立開業を果たしました。古い蔵を活用した「里山イタリアン AJIKURA」が新たに産声をあげたのです。彼はもともと埼玉出身。まさにIターンでここ邑南町に来られたのです。

今回は、5500円のコースをいただきましたが、邑南町の採れたての野菜や地元のブランド食材「石見和牛」や「石見ポーク」をふんだんに使ったメニューとなっており、この地域のお店としては、非常にレベルが高いと思う。特に「ホンモロコ」という淡水魚を使ったパスタは、こうした地域でしか味わえない組み合わせと提案である。単なるイタリアンでもなく、「A級グルメの町 邑南町」ならではのイタリアンになっているのだ。もちろんこうしたチャレンジする姿勢や取り組みが素晴らしいと思う。

もちろん邑南町までお客さんを引っ張ってくるには、並大抵の努力ではない。地方のレストランビジネスとしてやっていくには、苦労も絶えないと僕は感じている。その中で佐藤さんは、昨年広島に新しいお店を出している。「海と里山のパスタ&ドルチェ  AJIKURA by アル・ケッチァーノ」だ。こちらはパスタ専門店だが、邑南町まで足を運べないお客様が邑南町の食材や地域ブランド食材を食べていただこうという狙いの元、出店している。こちらは土日になると行列ができるくらいの人気だ。うまく都市と里山をつなぐハブとして機能している。今後、地方出店において、「地域にフラッグシップレストラン、都会にアンテナレストラン」といった、従来のフランチャイズやレストランの考え方と逆のやり方がうまれてくるだろうと予測される。

そうした地方のレストランビジネスを応援する仕組み、そしてその食材や地域ブランド食材が都会で購入できたり、食べられたりする場所を作るといったプロジェクトが生まれていくのが必然だ。Foodnia Japanとしてもそうした動きを応援し、積極的に関わっていきたいと思う。

とにもかくにも、まずその地域に足を運ばないと始まらない。これから暖かくなる季節。この里山イタリアンAJIKURAにぜひ足を運んで欲しい。佐藤さんが、最高の食材とサービスでお待ちしています。

里山イタリアン AJIKURAhttp://si-ajikura.com/index.html

耕すシェフhttp://www.ohnan-kanko.com/jinzai/tagayasu.html

海と里山のパスタ&ドルチェ by アル・ケッチァーノhttp://ajikura-hiroshima.jp/

松田龍太郎

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報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第19回

青森の魅力、「醞醸亭(UNJOTTEI)」を味わう。1日だけのレストラン。

年頭に一通の手紙が届いた。内容は青森で常日頃お世話になっている飲み仲間(?)で、今地方で一番行きたいレストランとしても名高いイタリアンレストラン「OSTTERIA ENOTECA DA SASINO(青森県弘前市)」の笹森通彰シェフと、つい先日、銀座三越のパイの催事で、味わったことがないアップルパイを提供してくださった、「EsqUISSE(以下エスキス)」のシェフパティシエ成田一世さんのコラボイベントの案内だった。

テーマは「発酵」と「熟成」。その1日だけのレストランの名前が「醞醸亭(UNJOTEI)」というのだ。主催が青森県ということもあり、心憎い組み合わせになっている、これは行かざるを得ない!

笹森シェフ、成田シェフとも挨拶を交わし、まず味わったのが、笹森さんが作り上げた、りんごのワインである。地元青森のリンゴ「シナノゴールド」と「ジョナゴール」をベースにして、火入れ、濾過を一切していないダイレクトな味わいのワインだ。今年から販売用にスタートするということで、気になっている商品だ。出来自体はリンゴの風味もしっかり出ている。これも「発酵」と「熟成」だ。

またワインも笹森シェフが10年以上前から栽培してきたワイン用のブドウを使い、現在11種類、少量多種のブドウを栽培しながら、青森の風土に合う品種を探して来た。今回いただいた、2015年のネッビオーロ、バルベーラはともに素晴らしい出来である。これはリンゴのワインとは異なり、ワイン特区の制限から、笹森シェフの弘前のお店でしか味わうことができない代物だ。特に赤ワインに関しては、日本全国みても、この品種を扱ったワイナリーもないくらい、本当に特別なものだと思う。これを飲むだけでも弘前に行くことはあるとおもう。

料理も、笹森シェフが自家製でこしらえたチーズやハム、燻製のマグロ、シャモロック(地鶏)のレバーのパスティッチョなど、いずれも、笹森シェフのお店のスペシャリテが登場し、ファンとしては、贅沢な構成だ。僕としては、ここ数年、笹森シェフの料理を味わう機会があるのだか、それこそ経験とノウハウが「熟成」され、料理に反映されている。その都度発見と、味わい深さを感じ、溜飲が下がるのだ。

特に、「黒にんにくの冷製アーリオ・オーリオ・スパゲッティ」は新鮮だった。青森県は「田子のニンニク」というブランドが代表するほど、ニンニクの世界的な産地だ。そのにんにくを高温多湿の環境で、じっくり熟成させるとできあがるのが「黒にんにく」。黒にんにくは、特有の匂いが消え、甘く、そして適度な酸味が加わり、「プルーン」のようなフルーティな味わいになるのが特徴だ。

その黒にんにくを冷製パスタに仕上げたのだ。以前僕自身も、笹森シェフと黒にんにくを使ったショコラティエを検討したことがある(結局様々な理由で頓挫したが)。その想いもあってか、この料理が出て来たときは「ああ、ここまで来たか・・」と一人、感慨深くなったのである。笹森シェフ曰く「結構冒険的に恐る恐る出したんです」といっておられたが、これはこれでスペシャリテになると思う。

かたや成田シェフは、パティシエではあるが、特筆すべきは「パン作り」である。2007年にはNYタイムズ紙が選ぶ、パンとデザート部門の「Best of NewYork」を受賞。それから「ラトリエ・デュエル・ロブション」などで腕を振るい、現在の「エスキス」では、「エスキスサンク」という独自パティスリーを展開するなど、いま注目のパティシエでもある。「今回のテーマにおいて、パンの中に、日本の根本的な発酵要素を、デザートの中に、よく言われる熟成とはという疑問に対して答えを感じさせようと考えた」と言っている。

その成田さんが一つ一つのテーブルを回ってだすパンの素晴らしさ、そしてデザートの二品目「栗の薄焼き熱地のタリアテッレ」は、栗のスープと洋梨のコンフィに浮かべた栗の粉で作ったネッチ(フィレンツェより北西に位置するピストーイア周辺で食べられる栗ののクレープのこと)のトルテリーニは、食べ進めると、徐々に味が変化し、このデザートに昇華されるまで、発酵と熟成させて準備した食材であることが「感覚的に」インプットされていくのが面白い。「感じたことがない味」は、自分の中で消化されるまでタイムラグがある。そのタイムラグ自体で、どんどん味が変化するものだから、面白いのだ。

こうして青森でも、そして東京でも味わうことができない「青森食材のアプトプット」を味わうことができ、至福の時だったという一方で、この取り組みをFoodnia Japanとして、地方と都会の橋渡しができる「表現の場」の必要性を感じるのである。これは美術家と一緒で、「アーティストレジデンス」で、アーティストがその地域場所に短期的に住まい、暮らすことで感じるものを、自分の作品に投影し発表するスタイルがあると思うだが、そのシェフ版、パティシエ版があるのだとおもう。それは地方だけではなく、まさに「巡回展」「ミュージアム」のように、地方と都会を巡る「食の地域間交流」はますます面白い動きをつくることになるだろう。

そんな可能性を感じる、一日だけのレストラン。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第18回

関東のおへそ、埼玉「大宮ナポリタン」を盛り上げろ!

東京を離れれば地方という感覚が正しいのかどうか、最近疑わしい。「地方創生」というキーワードを元に、都市と地域の格差を埋めるためにはどうすれば良いのか、それを「人」と「食材」で繋いでいけないかと日々考えている。

そう考えると東京もさることながら、埼玉県さいたま市大宮区の存在が気になるのだ。特に「鉄道の結節点」として東日本最強とも言えるだろう。元は、武蔵国一宮である氷川神社の門前町として、それ以後は中山道の宿場町として発展した大宮は、いまやJR東日本最大のハブであり、新幹線の結節点としても重要なポイントである。また、埼玉県から東京に通勤する人たちにとっても十分な通勤圏内で、東京と横浜の距離感と変わらない。けれど、港町横浜と比較すると観光地でもなく、これといった目立った土産ものも少ないのだ。

軒先マルシェの様子●

そんな中、大宮を愛する有志たちで、「現代の街道」として、昨年からマルシェ(軒先マルシェ:http://www.saitamas.com/)や、新幹線が繋ぐ各県からの名産を、大宮の商店街や飲食店に紹介するプロジェクトが始まっている。

雪下人参をPRする私●

その中でも、先日、青森県人代表として、12月から3月にかけて収穫される「雪下(ゆきした)人参」を紹介しに、「大宮ナポリタンの会」に参加してきた。

大宮ナポリタン●

かつて、「鉄道のまち大宮」として栄え、その周辺で働いていた鉄道員や工場マンがよく食べていたといわれるナポリタン。そんなナポリタンを、ご当地グルメとして復活させたのが「大宮ナポリタン」。いまこの活動が熱い。

大宮ナポリタン:http://omiya-napoli.jp/

そんなナポリタンに使える食材として、紹介したのが雪下人参なのですが、雪下人参自体は、雪の下から収穫される「にんじん」で、野菜とは思えないフルーティな甘さが特徴だ。

冬に収穫することにより、「にんじん」自体がもつ、寒さでも凍らないよう身を守る生理機能が働いて糖分が蓄えられ、野菜とは思えないフルーティな甘さをもった「ふかうら雪人参」が生まれる。収穫直後の「にんじん」は、糖度9度前後、高いものでは12度を超えるものもあります。また、一般的に時間とともに野菜の水分は蒸発しますから、その分糖度はさらに上がっていくこととになるのだ。

私もさっそく、自宅で「キャロット・ラペ(人参サラダ)」にしたり、筑前煮の具材としてザクザクと入れてみたりして食べている。雪下人参を美味しくいただくためのコツは、「オイル」の使い方だ。

人参に含まれる、「カロテン」が、油に溶けやすい性質をもっている。 サラダならオイルを使ったドレッシングをかけて、料理なら油いためや肉などと一緒に調理すると、体に吸収されやすくなる。特にこの時期の人参は美味しい。

手前味噌ながら、弊社の八百屋「八百屋瑞花」においても、人参フェアを断行。ぜひ2月いっぱいはFacebookページをチェックしてみてほしい。様々な種類の人参を仕入れながら、「1日1本、にんじんを食べる運動」を実施中だ。

https://www.facebook.com/yaoyasuika/

さて、大宮だが、北海道をはじめ東北や甲信越、北陸の食材を網羅し、これから新幹線就航の周年記念も相まって今後の展開から目を離せない。いま僕らが狙うのは、もしかすると東京より大宮かもしれない。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第17回

創業300年。割子そば「粉名屋 小太郎」。

珍しく今年の日本は、日本海側を中心に、大雪に見舞われている。

先日訪れた山形では、駅のホームに雪片付け用のダンプが。ダイヤも乱れがちで、できるだけ余裕を持った移動を、冬場、特に北国を訪問するときには気をつけなければならない。(一方東京は本当に快晴の毎日だが)

そんな山形で訪問した蕎麦屋がまた秀逸。創業300年「粉名屋 小太郎」だ。

「ここにきたら、必ず食べなければならないものがあるんですよ」と、いつも山形を案内してくるK氏は、めっぽう、世話好きで、必ず僕が山形を訪れると、いろんなところに連れて行ってくれる。

「もうオーダー済んでいますからね」と言われて、出てきたのが「割子そば」だ。重で重ねられていて、それぞれに楽しみながら食べるのか?と思いながら、ふとメモ書きに目が進む。

「おそばの上に薬味をのせ、その上から そばつゆをしめす程度かけ、一段づつお召し上がりください。千代口は、そば湯を飲むときに用います」

一段ずつ、そばと薬味をテンポよく、それでいて一つ一つが際立ち、面白い。あっという間に食べられる。ざるそばやそば会席にはない、「提案型のざるそば=割子そば」だ。

割子そば自体は、島根県出雲地方の郷土食としても有名だが、この重箱で積み重なった割子の楽しさを「薬味」で演出するところは、粉名屋小太郎さんの持ち味かもしれない。

「こんな青空久しぶりです、松田さん、いい日に来ましたね」とK氏も僕の割子そばの満足度具合にご満悦だ。

K氏の提案、また楽しみだ。

粉名屋 小太郎:http://www.konaya-kotaro.com/

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第16回

ゆるキャラならぬ、「ゆるパイ」を全国津々浦々集めてみる。

皆さんは、地方みやげで何を買いますか?

地方名産はもちろん、その土地ならではのものを購入されると思います。それは僕もそうで、毎回、いく先々で、みやげものに悩みます。しかし、そんなみやげものを見ていくと、面白いことに気づきます。

それは各県どこでも「パイ」があるということ。北海道や沖縄であれば、果物や食材にこだわったパイや、観光名所の名前がついているパイもある。気になり出したら止まらない、そんな僕の好奇心がグッと上がります。

以前、このFoodnia Japanの記事でアップルパイを紹介したことがありました。その時も少し触れましたが、私は何を隠そう、「一般社団法人日本パイ倶楽部」の代表を務めており、地元青森のアップルパイもさることながら、日本各地のパイは、いつも気にしてみております。

話は戻りますが、そのパイ菓子は本当に全国各地、津々浦々あるものです。

2014年に行われた「全国ゆるパイ展の様子」●

その北海道から沖縄までの47都道府県にどんなパイがあるかと調べたのが、日本パイ倶楽部の理事でもある、藤井青銅氏である。藤井氏は、2014年夏、「全国ゆるパイ展」を東京渋谷で開催し、1万人を動員する催事を手がけました。会場では、商品の他に、藤井氏ならではの各県のパイに対するコメントがこと細かく書かれ、日本のご当地パイ菓子にスポットを当てるきっかけを作りました。

その日本各地のパイ菓子を再び集めて展示しようというプロジェクトがスタートしました。その名も「全国ゆるパイ展2017」。今年2017年2月10日から14日のバレンタイン期間中に、東京吉祥寺の東急百貨店にて催事と販売を行うことが決定したのです!

それからというもの、各地出張の際には、必ずみやげもの屋に駆け込み「パイ」という菓子を片っ端から集め始めています。

もう津々浦々、こんなにパイ菓子ってあるのか!ってくらい、いろんなパイ菓子があるもので、ちょっとした昆虫採集のようで、貴重品種に出会えると興奮します(一番興奮しているのが、藤井理事w)。

全国ゆるパイ展2014年のトークショーの模様●

全国各地の「ゆるパイ」の展示のほか、藤井理事による「ゆるパイトークショー」も実施。彼の視点や、ゆるパイの考え方はとても面白いし、とにもかくにも、こんなに全国各地のパイ菓子が集まることはないので、この機会にぜひチェックしてもらいたい。

パイで地域おこしができるのでは?というくらいのボリュームです。会場にてお待ちしております!

●日本パイ倶楽部:http://www.pie-japan.com

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp