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光文社厳選!和食情報ナビ

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第32回

青森の海産物をてんこ盛り!「青森のっけ丼」

今年は夏休みを、少し早めに取り、親戚一同青森に集まる(私の実家のある弘前に)ことになりました。もちろんお目当ては「青森ねぶた」と「弘前ねぷた」です。2年ぶりに観ることができましたが、歳をとるほど、地元のお祭りの凄さや伝統を感じ得ずにはいられません。

さて、青森といえば、食の宝庫ですが(勝手にそう思っています!)、今回親戚を連れて行ったのは、「青森魚菜センター」です。そこの名物、市場内のお店に並ぶ新鮮な魚介類をはじめ、惣菜、地元の特産品、名物から、自分の好きな具材、好きな量をチョイスして、ほっかほかの白いご飯にのっけて食べる「青森のっけ丼」を食べて欲しかったからです!

ルールは簡単。入り口近くにある窓口で、具材と交換するためのチケットを購入。そのチケットの枚数に応じて、具材や量が決まるのです!たとえば、ウニであればチケット2枚必要など。

それぞれの個性がでてくるのがのっけ丼で、綺麗に満遍なく乗せる人もいれば、ウニやイクラなど、ここぞとばかりに一点突破で乗せる人もいます!

そんな僕は、欲張りなので、好物の「ホタテ」「エビ」「タコ」などを盛りつけながら「漬けマグロ」とできたての「だし巻き卵」をのっけたオリジナル丼を作りました!1300円(当時)のチケットで、ここまで豪快に、そして好きなように、自分の好物を乗せることができるのがここのウリです!青森に行きましたら、ぜひ「青森のっけ丼」を試してみてくださいね!

青森のっけ丼:http://nokkedon.jp/

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第31回

日本最北端の島、利尻島の至宝「エゾバフンウニ」に出会う。

少し前の話になるが、北海道は最北端の島、利尻(りしり)島に行ってきた。昨年、喜界島で行われたKDDI社主催の「しまものラボ」第2弾で、今回のエリアが北海道。その中でも最北端の利尻島(となりに礼文島もあります)が選ばれました。

利尻島の食、といえば、何と言っても「利尻昆布」と「エゾバフンウニ」です。利尻島で食するバフンウニの大半はミョウバンを使用せず、塩水に浮かべ保存しているのが特徴です。ミョウバンを使用するとせっかくのウニも変な磯臭さが残り、味が落ちてしまうからです。5月の出張の際には、さすがに生のウニには出会うことがなかったのですが、8月の出張では、どうやらありつけそうです!(本当であれば、ウニ自体は、7月の今が旬・・。)

ただ、ウニ自体が高騰しており、昨年ベースはキロ数万円(!)というから驚きの金額、つまり、「ウニ丼」一杯数千円(!!)という代物になるそうです。

この利尻のバフンウニがうまい理由が、ウニが食べている「利尻昆布」だそうです。ウニは雑食なので何でも食べますが、食べる餌によってウニ自体の味も変わってきます。リマン海流と対馬暖流、2つの大きな海流の恩恵を受け、この海域は栄養分が豊富。また、利尻山などからの雪解け水が川へと注ぎ、山の養分を海へと運ぶため、利尻昆布が茂る豊かな海をつくっています。その昆布を食べているウニだからこそ、最高級のウニが育つ!!自然が作り上げる営みが、私たちの食卓を豊かなものにしている、と改めて感じます。

しかし、そのウニも需要があるからといってたくさん採ると、さすがに枯渇します。そこで利尻では、ウニ種苗生産センターなるものを作り、ウニを育てて海に放流する「養殖」をしています。ウニセンターは1980年(昭和55年)に始まっていますが、昭和から平成になり、海藻をたくさん採りすぎたせいで、ウニのかくれる場所がなくなり、さらにウニを採りすぎてしまったので、ウニが少なくなりました。そこでもっと放流する量を増やすために、1994年(平成6年)に今のウニセンターができました。放流する量は、昔のウニセンターに比べて約5倍になり、今年は400万個放流しました。しかし、簡単には増えないそうです。(一部引用★)

ウニ自体を、数年かけて大きく育て、そこから海に戻すということをしています。ちょうどウニセンターにお邪魔させていただきましたが、稚貝が本当にかわいい・・。たくさんのウニたちが、いずれ海に還る。こうして大事に育てられています。自然との共存と言われますが、私たちの食についても同様です。一部の乱獲や大量生産が、自然界に限らず、私たちの食生活のバランスも大きく崩すことになります。たとえばウニのような高級食品でも、バランスを保てように、この小さな島で、奮闘している姿をみると、改めて「食のスタンダード」とは何か、ということに気付かされます。

少しでも多くの人に利尻のウニを食べてもらいたい。このウニを大事におすそ分けするような感覚で、それこそ「少しでも多くの人」に味わってもらいたいと思うのです。

しかし、利尻のホタテもうまい!!!うまいものには理由がある。。日本は広い!

 

★引用/出典:うみやまかわ新聞—利尻島のウニについて

http://umiyamakawashinbun.net/post/109560841241/%E5%88%A9%E5%B0%BB%E5%B3%B6%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%83%8B%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

 

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第30回

クリエイター夫婦が、地元に戻ったら。

山形は鶴岡にある、さくらん坊の「鈴木さくらんぼ園」さん。弊社の「神楽坂八百屋瑞花」でも取り扱っているさくらんぼの農家さんです。

6月後半から、人気の「佐藤錦」を中心に販売が開始し、もうまもなく販売が終了。

先週7月5日から順に、「紅秀峰」「紅てまり」「ナポレオン」の出荷が始まっております。

このさくらんぼ園は「さくらんぼ狩り」が行われていて、その手順が、イラストで可愛くまとめられています。このイラストを描いたのが、美大出身の宮城妙さん(旧姓:鈴木)。ご実家がさくらんぼ農家さんであるのですが、ご実家を継ごうとは当初おもっていなかったそうです。一方旦那様は、これまたインテリアデザイナー。東京の大手建築設計会社にお勤めになられていたのですが、東北で起きた未曾有の震災「東日本大震災」が発生したことを機に、妙さんのご実家であるさくらんぼ園を手伝おうと考え、夫婦二人で、この鶴岡に戻ってきたそうです。

いま畑は、鈴木さんのご家族と、宮城さんご夫妻で運営されていて、とても行き届いた環境です。ちょうど伺ったのが土曜日の早朝でしたが、グループで「さくらんぼ狩り」をされていました。

キラリと光る、佐藤錦(当時)が、今にも食べてくれ!と言わんばかりにたわわに実っており、いくつかいただいたところ、すこし張りがあるものの、味がはっきりしていて適度な甘みもまたよく、僕自身そんなにさくらんぼを食べる人間ではないのですが、見えている範囲のさくらんぼを食べてしまいたいぐらい、本当にうまいと感じました。

まさに、出荷が最盛期。熟す一歩手前で箱詰めし、全国各地へと運ばれていきました。

さくらんぼはちょうど今の時期しかないのですが、さすがクリエイターのお二人。今度はさくらんぼのコンポートなどの加工品。これまたさすがのデザインで商品化されていてとても好感が持てました。たまたまご実家だったかもしれませんが、なかなか農家を手伝っていくというのは並大抵ではできません。

もちろん、さくらんぼの収穫が終われば、旦那さんは建築設計やインテリアデザインのお仕事を、妙さんはデザインのお仕事をされるなど、非常に働きのバランスが良いなと思いました。畑が忙しい時は畑で働き、それ以外の閑散期は別の働き方で生計を立てる。今までは「季節労働」や「出稼ぎ」、「商品開発(加工含む)」といった「農業の延長」で働いていたことも、全く別の働き方で農業と両立する兼業農家も増えていく、もしくはすでに増えているという実感があります(半農半Xですね)。

地域の人口減少はどこの地区でも発生しており、私たちのような都会暮らしをしている人たちの台所を守っているのは、地域の生産者たちです。一方で、海外からの輸入品も今後さらに増えていくでしょう。そうした中で、自分たちの食卓、もっというと、自分たちが口にする食材、食品加工品について、敏感にならざるを得ないと思います。とはいえ、それを気にして食べている人は、最近増えている傾向にはありますが、まだまだ大多数は、意識の範疇としては薄いと思います。

こうして地域にダブルワークを含め、特にクリエイターと呼ばれる人たちが暮らすことで、より地域の食材にスポットライトが当たりやすく、そしてどんどん発信されていくことはFoodnia Japanの可能性としても十分考えられると思います。

クリエイターは単に、ラベルやパンフレット、ウェブを作るだけではなく、ビジネスセンスや事業センス、働き方まで幅広く、ジェネラリストに活躍できる職能が求められるでしょう。形にすることができればなお、地域にとっては重宝される時代です。これはデザインに限らず、シェフやパティシエといった人たちにも当てはまると思います。「手に職」と申しますが、職人としての職能だけではなく、「その手を携えていく」「繋いでいく」ことが今のクリエイターに求められている姿です。宮城夫妻がその一端を担っていけるように、僕らも応援していきたいです。

さくらん坊の「鈴木さくらんぼ園」:http://sakuranbouya.com/

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第29回

地域の問題は、食で繋いで解決する。お米を売るためには、高齢者を元気にすることが秘訣?!

昨年より、シマネプロモーションさんが音頭をとり、弊社も関わらせていただいている島根県浜田市弥栄町にて、お米や野菜、ジビエやキノコといった地元の食の特産品を活用し、販路を作るための「奥島根弥栄」ブランドが立ち上がった。

特にお米は、非常に出来がよく、いよいよ今年は品評会できちんとした評価をいただこうということになっている。一方で、酒米ではなく食用米のコシヒカリをつかった「どぶろく」はすでに高評価を得ており、金賞を受賞するなどの優れものだ。やはり、その土地のテロワール(土地の性格や風土といった土着のもの)や、水や自然の良さがそのまま品質に現れているのは確かだろう。ただ、こうした「美味い土地」で「耕す人」が減っていることは事実だ。

この事実の一端は「自然減」であり「地域の高齢化」であることはいうまでもない。ただそれをマイナスと考えず、「いかに効率的に、集落単位で、良い品質ものを提供するか」ということをチャレンジしているのもこの弥栄町である。そうした姿勢をみて、私たちも期するところがあり、今年度から本格的に関わらせていただこうとおもっている。

さて、その本気度というのは、なにも「移住定住してそこで根を下ろす」ことが全てではない。いささか、都合の良い耳障りではあるが、僕らができることは限られている。限られているからこそ、その地域にはない視点やアイディア、具体的な施策が、求められるのは確かだ。もちろん、それは1人でやり切れるものでもないし、地域でその主人公やキャストが現れるほど「奇跡的なこと」はなかなか生まれない。だからこそ、特産品ではなく、「そこで生きてきた人」ほど、価値が高いのである。つまりは、いま問題になっている高齢者の皆さんである。それこそ素晴らしい人的リソースだと思う。

お米の栽培から、郷土食の作り方、地域の良き風景のポイントから、人の噂まで(笑)。ありとあらゆることを知っているのが土着の人だ。ただ、知っているからこそ「盲目的」な部分も多く、当たり前が新鮮であることが、時にわからなくなる。その時、僕らのような「よそもの」を使ってもらいたいと思っている。ただそのよそ者も、多種多様だ。1コンサルタントがあたかも大正解をもってくるのではなく、いろんな世代、人種、考え方の人間が地域に入り込んだり、生活したりすることが、それこそ「地域活性化」に繋がっていくと思う。僕らが今回弥栄町で実施したのはそうした内容だ。今までは僕の目線が、Foodnia Japanであったが、これからは僕のチームスタッフ、パートナーがFoodnia Japanの目線になっていく。その目線をまとめたのが、こちらのインスタグラムだ。先日、弥栄町に行った時の模様がアップされているのでぜひチェックしてもらいたい。

https://www.instagram.com/oiseau_foodstandard/

地域の問題は、みんなで考える。課題に対して、一人で臨むのではなく、多くの視点から現場を体験し、肌感覚として情報を掴んだ後に、自分の中で表現につなげていくこと。そのアウトプットはいろんな形であるべきだ。もちろんバラバラにならないように「繋ぐこと」。地域の問題をつなぐことで連鎖した問題が、芋づる式に答えが導かれていく。お米の販路は、地域の高齢者を元気にすることから生まれる。そう、風が吹けば桶屋が儲かると一緒だ。すべては繋がっている。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第28回

chocolate×梅酒とのマリアージュに注目! THE Chocolateの新展開。

先日、このブログで紹介させていただきました、コンビニで絶賛販売中、200円ちょっとで買える本格チョコレート「meiji THE Chocolate」の新商品発売記念イベントにおじゃましてきました!

新商品は「軽やかな熟成感vivid milk(以下ビビッドミルク)」という名前がついた“ダークミルクチョコレート”。

そもそも今回発売されたビビッドミルクは、2017年初めに限定販売され、様々なチョコレートの大会で金賞や銀賞を受賞した「THE Chocolate ドミニカダークミルク(販売価格:1080円)」を、コンビニでも買えるように再開発した商品です。金賞受賞のチョコレートを200円ちょっとで買えるという、ありえない一品。

その秘密が、本品の開発担当である宇都宮洋之さんによるカカオのレクチャーで解き明かされます。年々日本におけるカカオの輸入量は上がってきており、2016年には年間約6.3万トンが輸入されています。すなわちカカオ高配合のチョコレートが日本人に受け入れられはじめていると言えます。

また、新商品に配合されたカカオの主となる原産国ドミニカ共和国は、1980年代から土地に適したカカオを開発し、1989年には他国からのカカオの木の輸入が禁止され、自国のカカオをとても大切に育てています。

加えて、新商品に使われているカカオの生産会社は、丁寧な製造工程と徹底した品質管理で世界の有名ショコラティエからも指名されるほどの工場なのだとか。この高品質なカカオからできたのが、今回の新商品である「ビビッドミルク」。

レクチャーの次は、いざ試食!

今回の試食は、

●エリア・発酵日数・撹拌・乾燥など「カカオ豆処理コントロールによる香りの違い」

●高温・低温焙煎など「カカオ豆の焙煎条件による香りの違い」

を味わわせていただきました。

カカオ豆の加工の仕方によって、素人の私でもわかるほど香りが強かったり、甘みが強かったりと味の違いがありました。

meijiさんは「THE Chocolate」を通じて、「ダークミルクチョコレート」という新しいジャンルの提案をしたいそうです。

ここ数年でよく見かけるようになったBean to Barのチョコレートはカカオ豆70~80%が多い一方、THE Chocolateは45~60%ほど。カカオの風味と苦味を感じながらも、甘みがありさっぱりといただける味わいで、甘すぎず苦すぎず一番「ちょうどいい」チョコレートに仕上がっているなと感じました。

そして後半は、DOMORI創業者のジャンルーカ・フランゾーニ氏が登場。

お酒とチョコレートのペアリングということで、今回はなんと「梅酒×meiji THE Chocolate」をプレゼンテーションしてくださいました。

チョコレートのプロフェッショナルであるフランゾーニさんは、日本の食材の中でも梅が最もお好きとのこと。そのテロワール、職人性、伝承性、植物としての美しさなど、カカオとチョコレートの世界に近しいものを感じるのだそうです。

そして、梅酒になる梅には南高や福井、鶯谷、紅さしなど品種は100種類以上あり、ベースとなるアルコールにも日本酒、焼酎、泡盛、ブランデー、ラム酒など、その組み合わせが無限であるところもおもしろいですね。

それから梅酒のアルコール度数は12〜20℃なので、カルバドスやコニャックよりも組み合わせて食べる食材の味を邪魔することがないので、チョコレートの風味を楽しむのにはぴったりのお酒なんだそうです!

というわけで、早速、テイスティングしてみました。

まずは、萬歳楽加賀梅酒×エレガントビターから。

うまみたっぷりの紅さしを使った加賀の梅酒は甘味もたっぷりですが、エレガントビターと一緒に口に含んでも、どちらもけんかせずにむしろサッパリする感じ。お酒があまり強くなく、甘党の方でも楽しめそうです。

お次はサントリー梅酒山崎樽17℃×ビビッドミルク。こちらもエレガントビターの時と同様の手順で口に含んでみると…口の中の余韻がすごい!チョコレートを転がしながら梅酒を含むと、口の中でボンボンができるみたいだよね!と笑うフランゾーニさん。気さくで素敵な方です。

サントリー山崎の樽で漬けている梅酒はウィスキーのような深みとコクがあり、とってもエレガント。ビビッドミルクのナッツ感と相性が良く、バーでお酒をたしなんでいる時のような上質な感じに驚きました。

うーん、梅酒とチョコレートとは、考えたこともなかったのですが、すごくいい発見になりました。飲み物との新しい組み合わせを知ると、チョコレートを手に取りたくなるシーンが広がりますね。

明治のみなさま、素敵な機会をありがとうございました!

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第27回

「世界のベストレストラン50」初登場。長谷川氏率いる「傳」の魅力。

グルメ界のアカデミー賞とも称される「世界のベストレストラン50」が、先日オーストラリアのメルボルンにて発表されました。実は、ミシュランもさることながら、このベストレストラン50が現在、非常に注目を浴びております。

そのなかで、今年ジャンプアップどころか、新登場45位! 日本でいうと、青山にある18位の「NARISAWA」につぐランクに入って来たのが、「傳(でん)」という和食料理のお店です。店主の長谷川在佑さんは、東京、神保町に出店後、わずか3年でミシュラン2つ星を獲得。18歳のときに神楽坂の料亭で修行し、29歳のときに自らのお店を開店させました。

僕が長谷川さんのお店に共感しているのは、「高級料亭と居酒屋の間の日本食のポジションを作ったこと」です。以前働いていた会社で経営していた和食のお店もそういう店づくりをして、ファンも多く、僕も大好きなお店の一つです。それでいて、アイデンティティとして、和食を大事にしているところです。実は、20−30代の若手で、日本食をメインとし、こうして成功している人は少ないです。そのほとんどが、イタリアンやフレンチの業態ばかり。もちろん一概に業界の問題とはいえませんが、逆に海外の方が、教育や伝承においては、進んでいるのかもしれません。

そういうお店を目指すお客様はもっと素直です。海外からのお客様も多く、先日伺ったときは、外国人グループが団体でこられていました。そして傳のスタッフも外国語でスマートに対応。なにより厨房では、外国人スタッフも研修や勉強をしたいということで、増えているそうです。

先日、神保町から神宮前に引っ越し、新たなスタイルになった傳。今まではカウンターの提供もありましたが、今回はそれをやめて、カウンターが見える大きなテーブルを配置。厨房から全てを見渡せ、それでいて大人数に対応するやり方はとても新しく感じました。

また、おまかせのコースも奇を衒わず、旬なものを、一番美味しい食べさせ方で提供するスタイルには、逆に新鮮さを感じました。私も八百屋を経営する身ですが、旬のものを旬に提供すること、そしてその味わいこそが、野菜の一番美味しい時期であることを知っています。そうした中で、傳がやっていることはとても素直で、なにより美味しく味わえるコツを知っている印象です。

それを提供する長谷川さんのキャラクターもあいまって、より美味しさを増幅させる装置のような存在になっています。僕も傳自体はなかなか行く機会もなく、今回はたまたまキャンセルで空いていたところに飛び込みで行かせていただきました。けれど、世界45位の立ち位置、評価というのは間違っていないと思います。高級料亭でもなく、居酒屋でもなく。世界に打って出る「日本食のあるべき姿」を感じるレストランです。ぜひ予約を頑張ってとって(笑い)、厨房が見えるテーブルに座って、傳ワールドを楽しんでもらいたいです!

日本料理 傳:http://www.jimbochoden.com/

 

The World’s 50 Best Restaurants:http://www.theworlds50best.com/

松田龍太郎

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1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第26回

旬の名残。長岡京タケノコの里で、今年最後のタケノコ掘り。

大学の先輩から、京都で野菜の卸をしている「アグリジャパン」、そして冷凍食品を展開している「ジャパンフード」を束ねておられる中井会長をご紹介いただいた。

発声一番「松田くん、5月3日にタケノコ掘りをするさかい、GW初日やけど、きてみいひんか?(この辺りは関西弁だと読みやすい 笑)」と。旬の名残も名残、この時期に残っているタケノコは全国見回しても他にはないし、本当に筍があるのか?と半信半疑ではあったが、なかなかこういう機会を得ることができないので、二つ返事で向かうことに決めた。

せっかくなので、良い体験ということもあり、弊社八百屋スタッフ2名を同行させることに決めた。ちょっとした京都日帰りの旅である。しかしGW最中ということもあり、朝から新幹線は激混み。

京都駅から乗り換え、アグリジャパンの方に車で案内されたのは、京都より西に移動した長岡京の山中一面に広がる竹やぶだった。そこではすでに、アグリジャパンのメンバーが総出で、場所にブルーシートがひかれ、テーブルが設けられ、その上に「オリジナルの筍御膳」が用意されていた。

すっかりタケノコ掘りと聞いて、軍手やら着替えやら持ってきたけれど拍子抜け、いきなり自然いっぱい、アウトドアでの「筍づくしのフルコース」を食べることになったのである。

中井会長の挨拶早々「筍の刺身」「筍煮」など、実は今年、ほとんど食べることができなかった筍を、朝採れまもなく湯がいて調理されたものを、やや旬の名残で、最盛期と比べると繊維質があるものの、甘みもあり、新鮮さを保たれた筍をいただくことができた。なによりこれだけの量を食べることは滅多にない。

また、今回この場所を提供してくださった、筍の生産者である五十棲(いそずみ)さんによる「筍掘り」の実践レクチャーも開催。弊社のスタッフも、初めて「堀(ほり)」と呼ばれる道具を使い、筍掘りに挑戦。テコの原理で掘り起こされた筍は、すでに旬が過ぎ去ったものではあるが、とても立派なものが掘り起こされた。

なにより五十棲さんが手を入れた畑の土壌は、非常に手が加えられていて、とても綺麗な畑だ。最盛期には、この一つの畑から1日200−300キロ収穫されるとのこと。毎日毎日筍が出ては収穫し、4月末から5月の頭まで続けられる。

この後5月にはすでに落葉を迎え、竹の伐採が始まり、また来年に備える。ふわふわとした土壌は稲わらが絨毯のように敷き詰められ、さらに肥料がまかれて疲れた竹畑を元気にする。こうした手間暇が美味しい筍を育てているのだ。

なかなか筍掘り自体に参加することもないのだが、長岡京の筍の存在を改めて知ることができ、非常に有意義な時間を過ごせた。特に消費地「京都」が近いこと、自然環境や水が良いことから、非常に良質な筍の産地である一方で、筍農家の後継者不足は深刻になりつつあり、かつ京都の農家の平均年齢は68歳とも言われている。(つまり、20−30代は若手ですらない状況)

いま地域の産地で起きていることは、単に販路を作ることや価値づけ、ブランディングだけではない。圧倒的に「地域づくり。人づくり。」が問題になっている。この業界、産地で生き残っていけるのか、はたまた、継承すべきものであるのか、さらに、産地を守るために僕らができることはなんなのか。一つ一つが鎖のように繋がっていて、どれ一つ過不足なく解決、検討すべき課題が山積みだ。しかし、そこで奮闘する若手生産者や商社がいることに、僕らは勇気付けられる。こうした地域のネットワークをより結びづけ、「foodnia Japan」の骨格を作っていきたい。

ちなみに、アグリジャパンさんは、「鈴かぼちゃ」の販売先としても有名です。実は気になっている商品の一つ。早速試してみようと思う。

アグリジャパン:http://e-loveland.com/

松田龍太郎

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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第25回

無糖、アルコール度数38%。ありそうでなかった唯一の梅酒が若狭に。

先日、「梅酒の海外販路相談」ということで、福井県は若狭(わかさ)町まで足を運んだ。

会社に入るなり、僕の目に飛び込んできたのは、この「BENICHU38°」(ベニチュー38ド)」という商品である。梅酒といえば、その甘さと飲みやすさが男女ともに人気が高いリキュールだ。ただ、この商品は、砂糖など糖類を一切使わない無糖の梅酒で、アルコール度数はなんと38%もあるのだ。

試飲させていただくと、飲み口はアルコール感が強いが、味わいには梅の酸味を感じさせ、香りもまた梅の香りが残っている。いわゆる「ドライ」な感じなので、食中酒としても十分合う。

ウィスキーや紹興酒のような深い味わい、ロックでもよし、水割りでもよし、酒好きにはもってこいのお酒だ。この訪問の直前には、香港で試飲会を開催、好評を博し、特に昨年からは中国大陸でも流通が生まれているという状況だ。

僕も意外だったのは、梅が福井の特産品であることだ。福井県の梅の生産量は全国の1~2%を占める程度に過ぎないが、日本海側としては一番の産地であり、特に福井県の梅栽培の歴史は古く、江戸時代末期に若狭町ではじまったといわれている。

栽培されている梅の二大品種は「剣先(けんさき)」と「紅映(べにさし)」。エコファームみかたの商品には、すべて「紅映」を使っているそうだ。品質は、紀州の南高梅に勝るといわれ、一時はその栽培が全国各地に広がったとのこと。しかし栽培の手間、栽培面積あたりの収穫量が少ないなどの理由から、現在その産地は、ほぼ100%福井県内に限られ、しかもその70%以上が紅映梅発祥の地である若狭町で栽培されているそうだ(★)。

商品を販売しているのは福井県若狭町にあり、梅酒や梅加工品を手がける「エコファームみかた」。甘くない梅酒は約4年前に発売し、3年前にBENICHUブランドにリニューアルしたという。むかし僕の祖母が、自宅の軒先に植えられた梅から実を収穫し、焼酎と角砂糖で漬け込み、梅酒にしていた。今回の梅酒は、「無糖」でかつ「アルコール度数が高い」こともあり、非常に興味深い。酒好きな方にはぜひオススメしたい。

(★)参考文献:渡辺 穀著「福井の梅 紅サシ」福井新聞社刊行

・エコファームみかた https://www.ecofarm.jp/

 

松田龍太郎

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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第24回

地方を盛り上げていく人づくり。食が作り出す新たな雇用。

皆さんは、「バーチ・ディ・ダーマ(以下バーチ)」というお菓子をご存知でしょうか? イタリア語で「バーチ=キス」「ダーマ=貴婦人」⇒『貴婦人のキッス』という意味で、素敵な女性がキスをする時の口元に似ていることからこの名前が付けられたと言われている可愛いスイーツのことです。

このバーチですが、昨年G7伊勢志摩サミットにおいて、安倍総理大臣からG7各国首脳に対するおもてなしの一環として、コーヒーブレイクの機会に提供・紹介されました。

この商品を販売しているのが、1817年にイタリアのミラノで創業。約200年の歴史のなかで、著名なアーティストや音楽家など様々な人々に愛されてきたお店「COVA」です。現在、東京と名古屋にお店を構えており、イタリア好きの日本人に愛されるお店として人気を博しております。特にこのバーチはおもたせ需要も多く、生産が追いつかないという状況でした。

そんな中、昨年10月より、弊社がお手伝いさせていただいている、青森県西目屋村(にしめやむら)という青森県唯一の村との取り組みで、「村内に新たな仕事を作り、雇用や稼ぎを得る仕組みを提供する」一環として、「西目屋スイーツラボ」を立ち上げました。そのスイーツラボにて、このCOVA JAPANのバーチを製造しようという試みがスタートしたのです。

スタートは、まずは村内の製造工場の再稼働。新しいオーブンを入れ、バーチを製造する体制から整えることになりました。もともと村内にあった「味な工房」という加工場には、そば打ち場所をはじめ、様々な加工機材がはいっている施設だったのですが、そのスペックを十分に活かせる担い手がいないことから「開店休業状態」でした。

そんな遊休施設を活用し、今回再稼働につなげたのです。もちろん、新しいオーブンを使いこなせないのは重々承知なので、弊社からパティシエを一人先生として派遣。まずは「お菓子教室」という形で、村民の皆さんにオーブンやお菓子加工に必要な最低限の技術や機材の取り扱いを実践していただくようにしました。

そうするとどうでしょう。村から、おばあちゃんや、子育てママたちが集まってきました。最初は「この施設はどんな風に使われるのか?」「お菓子って本当に作れるの?」とか疑問の声が上がりましたが、やはり実際に稼働して初めて見えてくるリアリティがまさり、今度は村の若手も参加するようになりました。

そうこうするうちに、バーチ製造のめどが立ち、この2月から本格的に製造開始、実際に商品として、店頭に並ぶまでのクオリティを出すところまできました。現在、村の若手が男女2名、他の仕事の合間を見ながら参加、4月からはいよいよ個人事業主として、若手の彼らが新たな取り組みとして昇華していくことになるでしょう。

どうしても「商品開発ありき」となると「作りっぱなしで販売につながらない」とか「販路が生まれず、結果販売中止」とか「こんな製造場所があったら、ぜひ作って欲しい」といったお声がけや相談が多いなかで、私たちが一つの回答として取り組んでいる、地方での成果の一つです。僕ら自身でお店を作るのではなく、あくまでも「夢を作ろうとする人」をサポートすることに徹しております。もちろんサポートが必要でなくなれば、必要ないですから引くこともありますし、引き続き必要な場合はサポートを手厚く行います。

いま地方では「人材不足」と呼ばれておりますが、「人手不足」ではありません。なにより働き場所がないのではなく、「選択できる働き場がない」という認識です。特に食に関して言えば、食の都として日本はもてはやされておりますが、それはきちんと食材のことを理解し、調理提供できる一部のレストランに限られております。

なかなかインバウンドふくめ農家を訪ね、直接食材に触れて食べて仕入れてということは皆無ですし、そうした活動を拒む農家も多くいます。やはり、作り手は作り手、食べ手は食べ手といった役割があるように、きちんとした形で提供できる(もしくは製造できる)場が必要になります。特に、六次化において、全ての産業を1事業主で実施するのは無理があることがわかりました。確実に「規模産業」「市場主義」に陥り、多額な投資と返済に追われ、無理をして生産したり、使われて欲しくない、置きたくない市場に対しても挑まなければならない「消費の渦」に巻き込まれている事業者さんも、ここ数年多く見てきました。その多くは、補助金などで賄われる「設備への投資」です。

ハードに対しては、補助率や項目自体も手厚くサポートされますが、減価償却を経て、儲けが出るのは10数年後というパターンがほとんど。「10数年後の市場」においては、その商品や機材が必ずしも役に立っているかというのは、僕らも予測は不可能です。逆に2017年ということで考えると、2000年頃に流行っていたものが、どれだけ現在の市場に残っているでしょうか。

一方で「人口減少」は顕著です。であれば「人材不足」は、能力やスキルがある人間を積極的に地方に関わらせつつ、地方の底上げを行い、まずは「食のスタンダードを落とさない」ということを僕らはやっていきたい。スタンダードを上げることも両軸だけれども、地方の食生活を下げることは、これだけ食材がある日本において、大変な損失だと考えます。それは郷土食もしかり。いま伝えるべき次世代への食のバトンは、きちんとした連鎖のもとで繋いでいくことが、重要である。

このFoodnia Japanの視点は、そうした「次世代への食のバトン」もさることながら、この食の風景をどうやって残していくか、ということに他ならない。様々な視点がある一方で、それをどうしていくかという答えを出す方法をともに作り上げていくということがこれからの課題である。

まもなく桜も満開である。この日本の風景もまた、10年、20年、そして100年先に残すためにも、いや「残しておくべき」という議論に上げるためにも、日本の食を守らないといけない。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第23回

第一印象を大切に。

常々、僕が講演会や講義などを行うときに伝える言葉が「第一印象を大切に」という言葉です。これは「相手に見られる自分の見た目」ではなく、「自分が見た素直な目」のことです。置き換えるとしたら「直感」ですね。

僕が報道カメラマンだったとき、何より大切にしたのがこの直感でした。現場には、カメラマンは、他社はいても、同じ会社のカメラマンは余程の大きな事件でないと存在しません(もちろん大きな事件の場合は、役割が変わります)。

なので、その場で「何を感じ、何を見て、何を撮影するか」を瞬時に判断し、それをお茶の間のテレビで放送するという仕事は、そうした「冷静に判断し、直感を研ぎ澄ます」感覚が鍛えられます。もちろんそれはすぐにできるものではなく、何年も何十年も培ってこそできる技だと思います。

だからベテランカメラマンのカット(撮影の絵柄のことですね)は、新しくも、「これってどうやって撮影したのかな?」と明らかに僕が撮影したものと異なっていました。それが画面では全くわからなかったので、テープを借りては、わざわざカメラで再生し、ファインダーでみながら、自分の目を養ったものです。

一方で、皆さんの日常でもこの「直感」が研ぎ澄まされる瞬間はありませんか? それは「初めて見るもの」「初めて感じるもの」だと思います。

特に海外旅行でそうした経験をすることが多いのではないでしょうか。空港に降り立った瞬間、売店で水を買う瞬間、タクシーに乗る瞬間、スーパーマーケットに入った瞬間、レストランに入った瞬間。全てが新しいものだらけで、かつそこにはなぜか「熱」が入りやすいと思います。

熱が入ったものは「伝わりやすい」ですよね、どんなものでも。だから、SNSでも、自分とは違う世界、見たことのないものにはみなさん反応しやすいし、なにより、撮影している本人が「これアップしちゃおう」って思うくらい盛り上がっているはずです。僕はこんな瞬間を報道カメラマンのときに体験しました。

ただときにそれが、ルーティンになるときがあるのです。「これは受けるだろう」「これは見たことがないだろう」。そこに落とし穴があります。大事な情報が抜け落ちて、見る人の共感もさることながら、伝えなければならないことを見失いがちです。

今回の写真たちは、そんな日々の中で、僕が何気なく撮影した「食」の写真たちです。人が写っているものもあれば、「え?こんなのものあり?」という驚きまで。これはトレーニングでも、仕事でもありません(笑い)。僕はそういう癖になっている。。これが、地方での仕事や、今の食の仕事に役立っているといっても過言ではありません。

その視点(まさに視ると書きます)が、他の食関係の仕事の方とは異なる視点なのかもしれません。驚くほどの企画力やや調理技術があるわけではありません。この視点こそが、いま食の仕事に必要だと思っています。食の仕事は、僕らが生きている中では、決してなくならないものであり、もっともっと深掘りできるものです。これからさらに時代が進み、技術が進みます。だからこそ食の仕事は魅力的だと思っています。

Foodnia Japan、さらに「第一印象を大切に」、進んで行きたいと思います。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp