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光文社厳選!和食情報ナビ

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〝三種の神肴〟を求めて ポテサラの巻 忘れられない居酒屋

大人の飲み処にふさわしい、いい居酒屋が揃える名物料理三品を”三種の神肴“と銘打って巡るシリーズ。
第二弾となる今回は、「ポテサラ(=ポテトサラダ)」を肴の軸に、記憶に残るに違いない名店をご案内しよう。
ポテサラの食材、レシピは実にシンプル。だからこそ、これが旨い店に外れはないのである。

白木のカウンターは小料理屋か割烹といった佇まい。入口近くには、向かい合って座れる、テーブル席のようなスペースもあり。

代々木上原 ゆう

  • 住所:東京都渋谷区西原3-22-12
  • 電話:03-5640-0773
  • 営業時間:17:00~24:00LO / 休日:不定
  • 席数:カウンター10席、テーブル8席※全席禁煙
  • サービス料:なし
  • 最寄駅:小田急小田原線ほか「代々木上原駅」より徒歩約3分
  • オープン年月:2014年12月
  • 酒の種類:日本酒は島根県王祿酒造の「王祿」のみ。
    年度、タンク違い等も含め常時15種類を揃える。
  • 客層:年齢層は40~50代の男性が中心。近隣や沿線の住民が多く利用している。
日本酒
店主が惚れ込んだ島根県の銘酒「王祿」。
超王祿生原酒ほか、年度違い、タンク違いと種類も多数。
冷やだけでなく、燗にして楽しむのも一興だ。

温かな牛しぐれ煮がアクセント。
酒を誘う罪深き酒肴・ポテサラ

代々木上原といえば、最近ますます美食に恵まれているエリアでもある。そんな街にまたひとつ、期待の新店が誕生した。目抜き通りから脇道に逸れたロケーションよし、小さく窓を切った外観の趣きよし。夕方5時と早めの開店もさらによし。白木のカウンターを備えた端整な店内は割烹のようで少 々戸惑うが、左党の好みを心得た料理や酒肴は名居酒屋といえる。
この店の強みといえば、魚と野菜。青森、愛媛、長崎の漁師や魚屋から届く神経締めされた活きのいい魚は、オリジナルの味付けをして刺身で楽しませる。野菜は群馬、千葉、香川の契約農家から直送。鮮度は抜群だ。
とりわけポテサラは人気が高く、常陸牛しぐれ煮と黄身のしょう油漬けを添えるのが店主・井本有祐氏の真骨頂。やや粒を残したジャガイモに、柚子果汁のほのかな酸味が自然の甘さを引き立てる。途中、しぐれ煮の塩味と温かさが絶妙なアクセントとなり、箸をいっそう進ませる。
日本酒とは相思相愛の相性。店主曰く「酒が飲めるポテサラ」とは、言い得て妙。まさに神肴。食べずして居酒屋と酒は語れず、だ。

楡の木のカウンターがすらりと延びるその奥で、淡々と仕込みを続ける小野木氏。無垢の木を多用する空間も印象的だ。

広尾 小野木

  • 住所:東京都渋谷区広尾5-8-11 BAR BIZON22 2F
  • 電話:03-6447-7657
  • 営業時間:8:00~23:00LO / 休み:日曜、祝日
  • 席数:18:00~24:00LO、土曜・祝日は17:00~23:00LO / 休日:日曜
  • サービス料:5%
  • 最寄駅:東京メトロ日比谷線「広尾駅」から徒歩約6分
  • オープン年月:2015年2月
  • 酒の種類:日本酒、ワイン共に品数豊富で、素材の味わいを生かした料理を引き立てるものが中心。焼酎、ウイスキーなども。
  • 客層:40歳以上が大半で、男女比は5:5。
    近隣に勤めるIT関係者、アパレル関係者、芸能関係者などが多い。
個室
接待にも便利な個室は2部屋を用意。
コンクリート打ちっぱなしの空間に、
木を多用し、温かみをプラス。個室のみ席で喫煙が可能。
個室料は5%。

名店「食幹」の次なるステージは広尾に生まれた大人が集える和食

今年2月にオープンし、早くも話題となっているのが広尾の「小野木」。同店が渋谷にある大人の居酒屋「食幹」の系列店だと聞けば、人気の理由はすんなりと納得できる読者も多いはず。
そう、食べてよし、飲んでよし。大人が楽しくなる和食をコンセプトにした渋谷の隠れ家が、今度は大人の街・広尾でその楽しみを提案するのだ。板場を仕切るのは、「食幹」の初期メンバーとして活躍後、同店の料理長も歴任。約9年にわたる「食幹」での経験を生かし、店を任された小野木茂樹氏だ。
「こちらでは分かりやすい、シンプルな料理を目指しています」 そう言って出されたポテトサラダは、ジャガイモとチーズが入るのみ。だが実は3種のチーズを組み合わせており、それだけで日本酒もワインもこいの最強の酒肴。「子持ヤリイカの焼コンフィ」にいたっては、いかめしの要領でヤリイカの中にゲソが詰められ、噛むほどに、ゲソや卵の食感が顔を出し、楽しくなる。
シンプルかつ、楽しい和食。そんな名店「食幹」が贈る次なる一手は、広尾の夜を楽しくする。

清潔感溢れる店内は、カウンターのほか、奥にテーブル席を用意。店は、都営新宿線「曙橋駅」からも徒歩で8分ほど。

荒木町 宮わき

  • 住所:東京都新宿区荒木町9 正起ビル1F
  • 電話:03-5379-6545
  • 営業時間:17:30~22:30LO、土・日曜は~21:30LO / 休日:水曜
  • 席数:カウンター7席、テーブル7席 ※全席禁煙
  • 予約:したほうがよい
  • お通し:先付¥300
  • 最寄駅:東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」から徒歩約5分
  • オープン年月:2012年7月
  • 酒の種類:懇意にする酒販店より一升単位でさまざまな日本酒を仕入れるので、毎回違った味わいが並ぶ。なかでも京都の澤屋まつもとのラインナップは豊富。
  • 客層:40歳以上が大半で、男女比は8:2と男性中心。日本酒好きが多く訪れる。

さらりと披露する京料理の技と
新たな感性が生む、楽しい酒場へ

「好きなモノを好きなだけ食べたい。自分がコースが得意じゃないから……」とは、銘酒亭がひしめく荒木町の一角で、カウンター中心の割烹を切り盛りする宮脇健太氏。32歳とまだまだ若手だが、荒木町にあった京料理「八平」で腕を磨き、自身の店でもその腕を遺憾なく発揮する。京料理を軸に、気軽につまめる酒肴が真骨頂だ。
例えば、すっぽんのまる鍋。浜名湖産のスッポンを水と酒のみで炊き、たっぷり生姜を利かせる。京都の割烹などでは定番料理でも、東京で通年、さらにアラカルトで注文できる店はそうはない。だからといって宮脇氏は特に京料理に固執しているわけではない。純粋に美味しいもの。その結果がすっぽん鍋であり、京料理であっただけなのだ。他の料理も同様。
人気のポテサラは、ある老舗洋食店のグラタンからヒントを得て、表面をカリッと焼いて、カレー粉をはらりと隠し味に。これが少しコクのある日本酒に絶妙に合う。自身が学んだ京料理の技と、若き感性が生む新たな酒肴。飲ん兵衛の街には、常に新たな名店が生まれているから飲み歩きがやめられない。

店は現在、秋男氏と兄の夏彦氏の兄弟で切り盛り。創業から50年近く、骨董通りの老舗として今なお多くの人に愛される。

表参道 青山ぼこい

  • 住所:東京都港区南青山5-13-2 池田ビル2F
  • 電話:03-3407-2031
  • 営業時間:18:00~23:00LO / 休日:日曜、祝日
  • 席数:カウンター8席、テーブル12席※全席禁煙
  • 予約:したほうがよい
  • お通し:¥500
  • 最寄駅:東京メトロ各線「表参道駅」から徒歩約8分
  • オープン年月:1968年
  • 酒の種類:石川県の竹葉の純米や、熊本県の美少年の純米など、昔から変わらず日本酒は8種類。
    焼酎をオーダーする人も多い。
  • 客層:古くからの常連も多いが、30歳前後の女性がふらりと訪れるなど、客層は幅広い。
    男女比は5:5。
ポテサラ
1日分の仕込みにはメークインを約1キロ使用。
安本氏曰く、「メークインはクリーミーで崩れにくい」。
実は1日経った、2日目のポテサラも美味だという。

ポテサラの名店が教えてくれる
継続の大切さと、温かい人情の味

メークインは皮を剥きカットしてからコンソメでことこと煮る。時を同じくして別鍋でゆで玉子。さらにその間、玉ネギとキュウリはスライスにして、きっちり水気を搾っておく。そうして次々と下ごしらえされた食材を一つのボウルに集め、目分量でマヨネーズや黒コショウを加えていく。これを毎日その日の分だけ。地味で根気のいる作業だが、すでに30年以上、これこそがポテトサラダの名店と謳われる「青山ぼこい」の日常だ。
「キュウリや玉ネギを搾ったり、地味な作業で手間も多いけど、これが結構大切なんです」とは、30年以上、厨房を守る安本秋男氏。母が営んでいたお茶漬け屋を継ぎ、その味を継承しつつも、酒肴の多くは独自のアイデアを加えてきた。某グルメ雑誌で世界一と評された、ポテトサラダにいたっても母の代にはまだなく、安本氏がメニューに加え、お客さんの要望で改良を重ねつつ、現在の味に。
「一人なら煮魚も半身からできるよ。内緒だけどね」と安本氏。
ホクホクのポテサラと半身の煮魚。青山・骨董通りの人情店はいつでもやさしく酔人を迎えてくれる。

大正ロマンを感じさせる意匠はすべて、店主・荒木陽子さんの見立てによるもの。アットホームな雰囲気が漂い、居心地は最高。

恵比寿 和食らうんじ ナーダ

  • 住所:東京都渋谷区東2-23-8 ふじビル1F
  • 電話:03-6427-9238
  • 営業時間:18:00~24:00LO / 休日:日曜、祝日
  • 席数:カウンター10席、テーブル11席※全席喫煙可(カウンターの一部禁煙)
  • サービス料:10%
  • 最寄駅:JR各線ほか「恵比寿駅」または「渋谷駅」より共に徒歩約9分
  • オープン年月:2009年11月
  • 酒の種類:本格焼酎が充実。常時芋15種類、麦5種類前後。勝沼酒造のワインや、へべす果実ソーダ割りもおすすめ。
  • 客層:30~50代が主体。男女比は6対4で男性が多い。近隣のビジネスマンや地元住民他、カジュアル接待や海外の観光客などの利用も多い。
焼酎
焼酎は常時、麦5種類、芋15種類ほど取り揃える。
左から、麦笛、赤兎馬、松露、熟柿。グラス¥600~。
季節の銘柄もあるので要相談を。

お通しだけでは物足りない。
その旨さに追加オーダー続出

「近所にあったら」と切望する一軒だ。まず魅力はカウンターに並べられた「おばんざい」。常時5種類、季節の野菜をふんだんに使い、出汁を利かせた京風仕立て。どれもきっちり手が掛かっていて、ほっとさせる優しい味わい。それを丁寧に小皿に盛り合わせ、膳にととのえてくれるのだから堪えられない。
オープン当初からの定番メンチカツもめっぽう旨いが、ポテトサラダも負けてない。しっとりときめ細やかなジャガイモに、ピリリと利かせたワサビのアクセントがどうにも後を引く。キレがよく軽やかで、インパクト大の旨さ。通常お通しで供するが、単品で追加オーダーするお客が大半だというから、その味は窺い知れるというもの。
店主・荒木陽子さんの美貌と姉御肌な人柄に惹かれてか、食堂代わりに利用する常連も数多い。要望とあらば定食も仕立ててくれるし、厳選の焼酎と日本酒で品数の厚い酒のアテをやるのもありだ。飲みにも、食事にもなんなく応えてくれる包容力には誰もが甘えたくなる。
これほどの店だ。たとえ遠方でも、わざわざ出掛ければいいだけの話。毎日でも通いたい店だ。

1階はスタンディング。徹底した品質管理と注ぎ方にもこだわるアサヒスーパードライをはじめ、世界各国のビールを揃える。

新橋 新橋 DRY-DOCK

  • 住所:東京都港区新橋3-25-10
  • 電話:03-5777-4755
  • 営業時間:17:00~22:30LO、土曜は16:00~21:00LO※5〜9月は16:00〜
    休日:日曜、祝日、第3土曜
  • 席数:1階/スタンディング18席、2階/テーブル20席※全席禁煙
  • サービス料:2階のみテーブルチャージ1名¥520
  • 最寄駅:JR各線「新橋駅」より徒歩約3分
  • オープン年月:2008年9月
  • 酒の種類:ベルギー、ドイツ、アメリカの樽詰め、瓶詰めのビールがメイン。
  • 客層:近隣のサラリーマンが主体。1階のスタンディングは男性客ほか女性の一人客も多く、2階はグループでの利用も多数。
テーブル席
船内をイメージした2階のテーブル席。
白を基調に木のぬくもりが調和した洗練の雰囲気。大きめのテーブルもあり、多人数での利用にも好都合。旨いビールとフードで盛り上がること請け合いだ。

素材の味をストレートに表現した
名シェフ作の”旬“のポテサラ

店名の「ドライドック」とは船の休憩所を意味する。その言葉のとおり、新幹線の高架下にありながら、一歩店に入ればそこは船内をイメージした非日常的な空間。航海に出ているかのような錯覚を覚えつつ、酒と美味が楽しめるという趣向だ。
こちらのポテサラは、メニューに「ビールに合う」と謳うほどの自信作。伝説のジャズ喫茶「銀座ACB」「キールズバー」の元料理長・三木清氏が往年の味を再現する。ジャガイモの中でも、三木氏がこだわるのはメークイーン。
「新ジャガが出回る前のこの時期が、いわばポテサラの旬。じっくり寝かせて糖度が増しているのでより美味しいですよ」と、自信を覗かせる。合わせる副材料は、玉ネギにロースハムと至ってシンプル。そこにベシャメルソースが加わり口当たりはまるでジェラートのようだが、食べれば”まんま“ジャガイモ。
シンプルながらクリーミーでコクがあり、キリリと冷えたドライなビールが余韻を引き締める。
チキンバスケットにオムレツと名物揃いの料理に、酒も否応なく進むというもの。ここは寄港地。帰路の途中に立ち寄るのも悪くない。

関西版

低めに設えられたカウンター席が落ち着くので、長居してしまう。料理のクオリティもボリュームもあって、かなりお得なので人気ぶりも納得。加地氏との会話も楽しい夜だ。

京都・五条 むろまち 加地

  • 住所:京都府京都市下京区松原通新町東入中野之町185
  • 電話:075-353-1113
  • 営業時間:18:00〜24:00※23:00LO 休日:木曜
  • 席数:カウンター9席、半個室4席 ※全席喫煙
  • サービス料:お通し八寸¥900 / 予約:要
  • 最寄駅:市営地下鉄「五条駅」から徒歩約5分
  • オープン年月:2011年8月
  • 酒の種類:日本酒は常時12、13種類程。好みの呑み口を伝えて相談するのがよい。注文は1合¥700〜。生ビール¥390も破格。
  • 客層:春と秋の観光シーズンは7割がた観光客で埋まる。50代前後の年齢層で、女性客同士の利用も多い。カウンターは一人客でも居心地がよいので、男女ともに多い。

珍味を隠し味に、呑ませる
洗練された大人のポテサラ

京都の有名割烹で修業した加地貴志氏。街の中心街でありながらも、静かな住宅街の室町にて独立。旬の食材を用い、板前の腕による、呑ませる肴を取り揃えた、割烹とも居酒屋とも言えぬ上品な店。
ウッディーで和モダンな空間もハイセンス。早めに予約をしないと席が取れない状況がずっと続いている。
お造りを注文すると、醤油、肝醤油、煎り酒の3種類が添えられ、呑んでくださいと言わんばかり。刺身の他にも、名物の鯖寿司、珍味まで一緒に盛り込まれる豪華仕立て。この一品だけでもどれほどの杯が空くことか。
開店以来常に献立に上る「大人のポテサラ」は、丁寧に裏ごししたなめらかな食感のジャガイモに、ある日はカニ味噌を混ぜ込んだり、また別の日には鯛の酒盗を合わせたりと都度違う隠し味を忍ばせる粋な仕立て。
作りたてよりも、数日おいた方が珍味が芋に馴染んでより美味なのだとか。食感のアクセントとして道明寺粉を揚げたあられを振りかけて。その名の通り、洗練された大人のポテサラだ。

1年半前に現在の場所に移転。ビルの4階ながら、日本酒好きが集う熱くディープな店。「奥播磨」のおりがらみ、「名刀正宗」の特別純米超辛口など試してほしい酒揃い。

兵庫県・三ノ宮 播州地酒 ひの

  • 住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通2-4-7 隴西ビル 4F
  • 電話:078-333-7751
  • 営業時間:18:00〜23:00※22:30LO / 休日:日曜、祝日、その他不定休あり
  • 席数:カウンター8席、テーブル16席 ※全席禁煙
  • サービス料:付出し¥500 予約/要
  • 最寄駅:各線「三宮駅」から徒歩約5分
  • オープン年月:2009年11月
  • 酒の種類:180種類の品揃えの日本酒のうち、150銘柄は兵庫県内のもの。冷酒は90㎖のグラスで提供され、熱燗は1合から。種類を色々飲んでほしいと、価格も¥350〜と値ごろ。
  • 客層:日本酒好きが集う。30代から60代以上まで幅広い。女性客も多い。

皆がオーダー、破格のポテサラは
店の看板メニューとしてサービス!

旅行が好きだという店主の日野明氏。旅先ではその街の旨いものと旨い酒をやるのが何より楽しみだと話す。ところがふと考えてみれば、兵庫に来た人に対して、地元の味と酒を出す店がほとんどないことに思い至った。
「あまり知られてないんですが、兵庫県は全国でも酒蔵の数が3番目に多い県なんですよ」。生まれは明石、もう少し西へ行くと姫路。この明石や姫路周辺にも家族経営の小さな蔵でいい酒が作られていることを知ってもらいたいと、播州地酒を取り揃えた店を始めたのだ。
180種類も取り扱う日本酒のうち、150種類が兵庫県下の蔵の酒。種類を飲んで好みの味を探してほしいからと、1杯350円からという価格設定も嬉しい。
料理も、播州の穴子や、姫路おでんなどを揃えている。特筆すべきはポテトサラダ。神戸の中華街南京町で仕入れる焼豚を混ぜ込み、郷土色を盛り込む。2㎏のジャガイモに対して、40個ものゆで卵を合わせ、そのうちの20個は黄身だけを使う濃厚仕立て。酒に合わないはずがない。

店主の中島氏が板場に立ち、奥さんのかをりさんが接客を担当。旨い魚を食べたい人に、間違いのない味が揃う。

兵庫・大石 海蔵

  • 住所:兵庫県神戸市灘区大石東町5-6-10
  • 電話:078-882-5228
  • 営業時間:17:00〜21:00最終入店※21:30LO / 休日:日曜、祝日の月曜
  • 席数:カウンター8席、テーブル4席、小上がり16席※全席禁煙
  • サービス料:付出し¥600 予約/した方がよい
  • 最寄駅:阪神本線「大石駅」から徒歩約10分
  • オープン年月:2000年11月
  • 酒の種類:日本酒の銘柄は常時入れ替えの物が多く約10種類。
    1合¥950〜。生ビール中¥500、焼酎¥560〜。
  • 客層:30代から60代くらいまで。夫婦での食事や、鍋料理やおまかせコース等で、会社の仲間との宴会利用も。

魚のプロが厳選する旬の魚介、
ポテトサラダにまで生かされて

実家が鮮魚店だった店主の中島賢一氏。幼少期から瀬戸内のいい魚に慣れ親しんできた。自身も店を手伝ってきたので、魚を見る目も、扱いも確かだ。15年前、中島氏が腕を振るう居酒屋に転向。毎朝市場に出向き仕入れる鮮魚料理は間違いない。「この時期は瀬戸内のスズキがお勧め。ただスズキといっても獲れる場所も把握し選ばないと、全然違うんですよ。
今日のは広島の鞆の浦です」。まずはと、土佐の海塩を少し付けて。この塩が魚の旨みをギュッと際立たせる。続いて鹿児島のたまり醤油とわさびで。まろやかでほのかに甘いこの醤油も、脂ののったスズキと張り合って旨い。既に日本酒なしにはいられぬ味ののり具合だ。
魚介の店のポテトサラダは、旬の海老を使って仕立てるオリジナル。この時期は淡路島で獲れた川津海老だそう。その頭に入っている味噌も混ぜ合わせて、味に深みを出すのがこつだ。鮮度抜群の海老だからこそできる技。海老は他にもシラサ、足赤、車海老と、種類を変えながら一年中楽しめる。時期ごとに食べ比べてみたい。

撮影/岡本 寿、上田佳代子、徳山善行、タケダヒロユキ、山田絵理 取材・文/粂 真美子、大西健俊、三好彩子

Gainer 2015年6月号より