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光文社厳選!和食情報ナビ

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NIPPONの「和食遺産」を巡る旅 長野の「きのこ」

食物繊維、ビタミンB、Dが豊富で低カロリーな健康食。
市販のきのこは人工栽培されたものが主で、長野県はえのき茸、ぶなしめじ、なめこの生産量が全国一。
最近ではバイリング、あぎ茸など新しい品種も注目されている。

マエノリさん、晩秋の北信州で、幻の食材を味わう

美しい山々に囲まれた長野県は野菜や果物の宝庫。
きのこの産地としても有名で、とくに信州・中野市は、えのき茸の生産量全国一を誇るきのこ王国。
新しい品種栽培に力を注ぐきのこ園ではレストランのシェフたちも注目する希少なきのこに出合い、野尻湖周辺の山ではきのこ狩りにも挑戦。きのこの奥深さに魅せられました。

新品種の開発に取り組む信州・中野市で珍しいきのこに出合いました

新種のきのこを栽培する生産者、竹内篤史さん

新種のきのこを栽培する生産者、竹内篤史さんに話を伺いました。
ダウンジャケット¥33,000ニットワンピース¥24,000ネックレス¥14,800(すべてアン レクレ)ブーツ/私物

フラワーエノキタケは、茎に紙を巻かずに成長させるため、花が開いたような形に。

バイリング、あぎ茸など新種の普及に取り組む

長野県北部に位置する中野市は、全国有数のきのこの生産地。とくにえのき茸は、全国一の生産量を誇り、新しい品種の開発にも力を入れています。10年ほど前から新種の栽培に取り組んでいる「たけうちきのこ園」をマエノリさんが訪ねました。

マエノリ現在は何種類くらい栽培しているのですか?

――――バイリングとフラワーエノキタケ、あぎ茸の3種類です。

マエノリ初めて聞く名前ばかり。どんなきのこなのですか?

――――バイリングは白霊茸とも呼ばれる中国新疆ウイグル自治区などに自生するきのこで、陸のアワビ、幻のきのこ、神のきのこともいわれ珍重されています。肉厚で歯ごたえがあるのにやわらかく、まさにアワビのよう。
フラワーエノキタケは、通常、紙を巻いて茎をまっすぐ成長させるところを紙を巻かずに育てたもので、ストレスがかからないため糖度が増します。
あぎ茸はイタリアが原産とされ、笠が椎茸、軸がエリンギのような姿をしています。旨みが強く軸はホタテのような食感が特徴です。

マエノリ国内ではどれもまだあまり生産されていないのですか?

――――バイリングは栽培に120日ほどかかり、早く成長するきのこの3倍の時間と手間がかかるため、生産者は少ないです。あぎ茸にいたってはここでしか栽培していません。

マエノリきのこって一体どのように栽培しているのですか?

――――どうぞ実際に見てください。まずはバイリングの栽培から。

マエノリわぁ〜すごい!
ずらっと並んでいますね。瓶で栽培するんですね。かなりひんやりしますが、低温で育てるんですか?

――――10℃で湿度を90%に保ち、笠を大きくするため蛍光灯を24時間つけています。1瓶に10本くらい芽が出てきますが、親指大になったら形がよくて硬いものを1本だけ残してほかの芽を間引きします。

マエノリえ〜っ! 手作業で?
それは手間がかかりますね。希少といわれる理由がわかりました。

――――このように手間がかかるので、あぎ茸までなかなか手が回らず、レストラン用にほんの少量しか生産していないのが現状です。

マエノリバイリングはどこで購入できますか?
食べられる場所はないんですか?

――――バイリングも今は飲食店への卸しが主体で、ごく稀に中野市の直売所に出る程度ですが、市内4軒のお店に卸しているので、そこで食べてもらうことはできます。

マエノリこの足ですぐ食べに行きます!(笑) 今日は希少なきのこを見せていただきありがとうございました。

  • バイリング栽培種をつけてから芽が出るまでは100日以上。最初は複数の芽が出てきます。
  • バイリング栽培複数の芽の中から形がよく、硬い芽を1本だけ残してほかは摘み取ります。
  • バイリング栽培は芽を摘み取る作業がポイント芽かき作業から1週間〜10日後大きく育ったところで軸をハサミで1本1本切って収穫します。

新種のきのこが味わえる地元の料理店で美味しい食べ方を教わりました

地元でもなかなか入手することができない新種のきのこを味わえるのは、現在は中野市内の限られたお店だけ。
くせのないきのこは基本的にどんな料理にも合いますが、食感や風味は種類によって異なるため、
まずはおすすめの料理法を地元のお店でチェックするのがいちばん。
きのこが主役の料理を存分に味わったマエノリさんもその美味しさに感動しきりでした。

新種のきのこを栽培する生産者、竹内篤史さん

カーディガン¥14,800(アン レクレ)
席数は120。個室やカウンター、宴会のできるお座敷も。おひとりさまから団体まで対応できる使い勝手のよさが魅力。地酒も充実しています。

和喜多

和喜多

地元の食材を積極的に取り入れた季節感のある料理が気軽に味わえる

「たけうちきのこ園」の希少なきのこを常時味わうことができる店。日本海の旬の魚介を使った料理をはじめ、〝中野を食べよう!〟 という地産地消をテーマにしたメニューも用意され、きのこやぼたんこしょう、信州黄金シャモ、信州サーモンなど地元の食材を使って美味しい食べ方を提案。料金もリーズナブルで、居酒屋感覚で気軽に利用できるのが魅力。

中野市中央1-10-4 / ☎0269-22-5127 営業時間:17:00〜22:30 休み:月曜

鮮やかな黄色のタモギ茸、野生のえのき茸に近い山茶茸、黒あわび茸、柿の木茸などきのこの種類も充実。
農産物産館 オランチェ

農産物産館 オランチェ

産直の新鮮な野菜や果物、特産のきのこも品揃え豊富

市内約500戸の農家が持ち込む旬の野菜や果物が並ぶJA中野市の直売所。朝採り野菜の100円市なども開かれ、午後には品薄になってしまうことも。生産量全国一のえのき茸と手作り味噌を使ったきのこの味噌汁の無料サービスも評判。

中野市草間1543-5 / ☎0269-23-5595 営業時間:9:00〜18:00 元旦休

きのこ狩りも体験。山歩きの後にいただく天然きのこ鍋の美味しさは感動的!

市販のきのこは、ほとんどが計画的に、安定して供給できる人工栽培のもの。
一方で、天然のきのこには栽培したものとは異なる風味があります。
北信濃周辺の山々は天然きのこの宝庫でもあり、種類の多さは世界でも有数といわれています。と聞けば、
きのこ狩りを体験したいということで、野尻湖のアウトドアスクールに参加しました。自分で採ったきのこはひと味違います。

ワォ〜!ムキタケの大群を見〜つけた

ニットジャケット¥18,000タートルニット¥15,800(ともにアン レクレ)パンツ・靴/私物

サンデープラニング

サンデープラニング

野尻湖周辺で四季を通じて多彩なアウトドアプログラムを体験できる

野尻湖畔のロッジを拠点にカヌーやラフティング、山菜採り、きのこ狩り、クロスカントリースキーなどが体験できるアウトドアスクール。きのこ狩りは秋限定。6,000種類以上のきのこが生息する野尻湖周辺の山々を吉原校長のガイドに従って食用きのこを探し、収穫したものを夕食でいただくこともできます。かなりハードな山歩きですが、見つけた時の喜びは格別です。

上水内郡信濃町野尻379-2 / ☎026-258-2978 きのこ狩りハイキング(9月中旬〜11月上旬)1日ガイド¥6,500、きのこづくしディナー¥2,300(1名)
www.sundayplanning.com

  • きのこはどこかな?
  • きのこ

採ったきのこをさっそくお味見

収穫したきのこは仕分け、鑑定後下ごしらえしていよいよ試食。
ケーブルニット¥16,800スカート¥15,000(ともにアン レクレ)

香りはどうかしら
  • ムキタケミズナラの木に生えていたムキタケを収穫。笠の裏のひだが白くて細かいものは味のよい上物。
  • チャナメツムタケ落ち葉の間からポツンと1本顔を出していたのは、なめこの仲間のチャナメツムタケ。
  • きのここの日はまずまずの収穫。あまり日の当たらない倒木の裏やほこらの中などをチェックするのがコツ。
  • 7種のきのこ鍋本日のきのこディナーはナメコ、シロナメツムタケ、ブナハリタケ、チャナメツムタケ、オシロイシメジ、クリタケ、ムキタケの7種のきのこ鍋がメイン。ほかにヤマブドウ酒やきのこの前菜、唐揚げ、きのこご飯なども。

撮影/谷口京 モデル/前田典子 スタイリスト/加藤万紀子 ヘア・メーク/高梨舞 取材・構成/秋山美英