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光文社厳選!和食情報ナビ

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NIPPONの「和食遺産」を巡る旅 三重の「的矢かき」

志摩半島の的矢湾でひと粒かきとして筏養殖されたかき。
9 ~10月に稚貝を筏に垂下して1年養殖し、房になったかきをひと粒ずつはずして海に戻し、約1カ月後、紫外線で殺菌した海水に約20時間浸けて浄化している。

前園さおりさん、癒やしの美し国で伊勢志摩の幸を堪能

新鮮な海の幸に恵まれ、古くから"美し国"と称えられる三重県。
10月20日からシーズンがスタートした的矢かきを目当てに、前園さんが伊勢志摩へ出かけ、海女さんとの交流も楽しみました。

二見興玉神社 夫婦岩

二見興玉神社 夫婦岩

二見浦に浮かぶ夫婦岩は夫婦円満の象徴。
沖合700mに鎮まる猿田彦大神縁の霊石「興玉神石」と夫婦岩の間から差し昇る「日の大神」を遥拝する鳥居とされていて、岩の間から昇る日の出や満月は必見。
朝日が最も美しいのは5 ~ 7 月。秋から冬(今年は11~ 1 月)の満月も幻想的でおすすめ。
伊勢市二見町江575 ☎0596-43-2020

現役の海女さんたちが、かまどで新鮮な魚介類を焼いてくれる海女小屋も体験しました。
ロゴニット¥13,000シャツ¥17,000デニム¥29,000スリッポン¥18,000(すべてアン レクレ)

美味しくて安心! 清浄「的矢かき」は三重を代表するブランド

ニット(タートルネック取りはずし可)¥16,000パンツ¥19,000バッグ¥28,000スニーカー¥23,000(すべてアン レクレ)

佐藤養殖場

佐藤養殖場

志摩市磯部町的矢889
☎0599-57-2611
http://seijyoumatoyakaki.com

滅菌した海水の流水で、約20時間浄化し、安心して生食できるかきを出荷。

先代の佐藤忠勇氏が考案し、かき養殖に革命をもたらした紫外線による海水の殺菌装置。

房になったかきをひと粒ずつ出刃ではがして海に戻す作業によって、かきの身入りがよくなる。

紫外線殺菌した海水で20時間飼育して浄化

風光明媚なリアス式海岸が続く豊かな自然に恵まれ、鮑や伊勢海老、ふぐなど名産の宝庫である伊勢志摩。三重ブランド第1号に認定された「的矢かき」も県を代表する特産品のひとつです。生食用清浄かきとして名高い「的矢かき」発祥の地、佐藤養殖場を訪ねました。

前園波が穏やかできれいな湾ですね。かきの養殖にはこういった環境が適しているのでしょうか?

――的矢湾には3本の川が流れ込んでいて、地表の養分を含む川の水が湾内のプランクトンを育て、かきの餌となるため、川の水と海水が適度に入り混ざった湾がかきの養殖には最適といわれています。

前園海に並ぶ筏の下で、かきをどのような状態で何年ぐらいかけて育てるのですか?

――伊垂下式といって、稚貝が付着した帆立貝の貝殻を筏につないで海中に吊るしておくのですが、1年ほどで育ちます。出荷の1カ月ほど前に海から引き上げると房のようにかきが密集しているので、ひとつひとつはがして、大きさや形の良し悪しを選別して籠に入れ、再び海に戻します。

前園1年で大きく育つのですか。一度引き上げてまた海に戻すのはなぜですか?

――真がきは1年で育ちますが、夏の岩がきは3〜4年かかります。一度引き上げるのは、かきどうしが重なり合っていると形や身の入りが悪くなるからです。ひと粒ずつはがして海に戻すと身もふっくらとして、旨みも増します。

前園すごく手間がかかる作業ですね。養殖の場合でも旬のシーズンはあるのですか?

――10月中旬以降から3月くらいまでが真がきのシーズンで、水温が下がりきった1月ごろが一番美味しいといわれています。真がきが終わると、5〜9月ごろまで岩がきのシーズンになります。

前園的矢かきは、安心して食べられるそうですが、どういう方法で殺菌しているのですか?

――海から引き上げてから、紫外線で殺菌した海水で約20時間飼育して減菌します。かきが菌を持つのは海水に菌があるからで、まずは海水を紫外線で殺菌する装置を開発しました。先代がプランクトンの研究者 で、かきは約18時間で体内の海水をすべて吐き出すことを究明し、殺菌した海水を流水状態で18時間以上浄化する方法を完成させました。

前園安心して食べられるのはうれしいですね。かきは大好きですが、あたるのが怖いので、すばらしい発明に感謝です! 今日は思いっきりいただきます(笑)

現役の海女さんと触れあえる海女小屋料理を体験しました

伊勢志摩は、古より「御食つ国」と呼ばれ、朝廷や伊勢神宮に魚介類を献上してきた地で、昔から海女漁が盛ん。日本国内にいる約2000人の海女さんのうち、その半数は鳥羽・志摩地方で活躍しているそうで、なかには3世代にわたる海女の母娘も。周辺には資料館や海女小屋など、海女文化に触れられるスポットも点在し、海女さんたちが新鮮な海の幸を焼きながら素潜りの話などを聞かせてくれる「海女小屋体験」は、観光客に大人気。サザエや鮑、伊勢海老をはじめ、これからの季節は焼きがきも味わえます。

かまど(囲炉裏)を囲んでいただく焼きたての魚介類は格別に美味。炭火焼きはサザエ、檜扇貝、大アサリなど、その時期の旬の魚介を使用。鮑や伊勢海老が付くコースなど3 種類から選べる。ロゴニット¥13,000、シャツ¥17,000デニム¥29,000(ともにアン レクレ)

海女さんの衣装に変身! 似合うかしら~?
海女小屋はちまんかまど

海女小屋はちまんかまど

美味しい魚介と楽しい会話で海女さんたちがおもてなし
海女小屋は、漁を終えた海女たちが体を温めながらひと休みする場所。火をおこすかまどが据えられ、魚介を焼いたり、おしゃべりを楽しんでリフレッシュする、かまどの雰囲気を味わえるのが伊勢湾の海辺にある相差のはちまんかまど。気さくな海女さんたちと会話を楽しみながら味わう新鮮な魚介の炭火焼きは、美味しさも格別です。

鳥羽市相差町あさり浜 ☎0599-33-6145(完全予約制)海女小屋料理体験2 ~ 3名¥5,000~¥9,000、4名以上¥3,500~¥8,000、
ティータイム体験(14時~)2~ 3名¥3,000、4名以上¥2,000(すべて1名分料金)

生で、煮て、焼いて、揚げて美味しい“海のミルク”を堪能しました

的矢かきは、東京のレストランにも出荷していますが、的矢地区周辺の料理店や旅館、県内のホテルなどでは生がきはもちろん、焼きがきや、かきフライ、土手鍋など、さまざまなかき料理をフルコースで楽しめるのが産地ならではの醍醐味。また、鳥羽市の生浦湾で養殖している浦村かきも人気で、焼きがきの食べ放題を行うかき小屋などもあり、かき好きにはたまりません。

生がき、焼きがき

いかだ荘 山上

かき筏の浮かぶ的矢湾を眺めながら本場のかき料理をフルコースで味わえる

いかだ荘 山上

的矢湾を見下ろす高台に建つかき料理専門の料理宿。清浄的矢かきの生みの親である佐藤忠勇氏の勧めを受け、的矢で最初にかき料理の暖簾を掲げてから半世紀、かき尽くしのコースを楽しみに海外からもファンが訪れます。的矢かきのコースは期間限定(10/20~3/31)で¥6,000~。予約をすれば食事のみの利用も可能。

志摩市磯部町的矢883-127 0120-07-2035(要予約)
営業:11:00~13:30、17:30~19:00(L.O.)不定休

かき料理

眼下に的矢湾の絶景が広がるテラスデッキでくつろぐのも心地よい。ニット¥16,000パンツ¥17,000ネックレス¥4,200(すべてアン レクレ)スリッポン(私物)

的矢かきエキスを使用した調味料は鍋の季節に重宝

撮影/谷口 京 モデル/前園さおり スタイリスト/鈴木仁美 ヘア・メーク/高梨 舞 取材・構成/秋山美英