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光文社厳選!和食情報ナビ

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"磨き日本一"の純米大吟醸人気の銘酒をとことん飲み比べ!

連載 第3回

話題の「獺祭Bar23」で並行飲み!澄み渡る味わい、濁り始める記憶

ここ最近の日本酒ブームをけん引し、海外でも注目を集める旭酒造の「獺祭」。店頭でも酒場でも品切れ続出、なかなか手に入らないあの銘酒が堪能できるバーがあると聞き、早速リサーチに向かったナビゲーターの前川泰之。 「飲まなきゃはじまらないゼ!」と(勝手に)モチベーションを上げながら、ぜいたくにも「獺祭」の飲み比べにチャレンジ。今回もがっつり酔わせていただきます!

イレブンティのジャケット¥61,000G イングレーゼのチーフ¥9,500(共にエストネーション)タートルネックニット¥5,900(エッセンシャルガーメント メンズビギ/メンズビギ)パンツ¥37,000(PT01/PT ジャパン)

5種類をテイスティング。違いの分かる男に覚醒!?

日本酒にもし疎くても「獺祭」の名前は耳にしたことがあるよね? 山口県岩国市にある旭酒造が製造販売する酒で、三代目社長の桜井博志氏が生みの親。精米歩合(※1)が50%以下の純米大吟醸(※2)しか醸造しない最高峰を追求した日本酒だ。オバマ大統領が訪日した際、安倍首相が贈ったことでも話題になったし、海外でも評判で今回のNYコレクションで振る舞われて大好評だったらしい。

そんな「獺祭」を堪能すべく、向かったのは京橋。店内は桜のカウンターをメインにした造りで、和を意識した雰囲気がいい感じだ。ここでのおすすめは「獺祭」の5つの銘柄がテイスティングできる「五種おためし」。まず味わったのが、本日の発泡酒「オッター フェスト サケ」。アルコール度数13度のフレッシュタイプな発泡にごり酒で、『獺祭Bar23』のほかではなかなか巡り合えない非売品。言い方は悪いけれど、味わいイメージは「カルピスソーダ」(笑)。すっきりと軽くて飲みやすいからクイクイいけそうだ。5種類の中で気に入ったのが「獺祭 純米大吟醸50」。最高の酒米といわれる山田錦を50%まで磨いて醸したもの。舌にすっと馴染んで、バランスもいい感じだ。「磨き三割九分」に続いて味わった「磨き二割三分」は、山田錦を限界ギリギリの23%まで精米した「獺祭」の代名詞。華やかで後口にキレがあり、これはもう間違いない旨さ。最後は、「磨きその先へ」。構想から醸造まで10年かかったという「獺祭」の最高クラス。精米歩合は23%以下だが、ラベルには「純米大吟醸」と表記されていない。精米歩合を表記しないと「純米大吟醸」と謳えないそうだ。精米歩合を表記していない「磨きその先へ」は、精米がすべてではなく、あくまで味を重視してのことらしい。味はキレイなだけでなく、深みがあって厚みがある。グラスで1杯6,500円もするのに、男性の独り客で堪能する人が多いというから驚きだ。「もう一杯!」とグラスでオーダーした「磨き二割三分 遠心分離」は文字通り、遠心分離(※3)の技術を使って圧力をかけずに搾ったもの。雑味がなく繊細で、研ぎ澄まされた味わいがする。

飲み比べてみて、同じ「獺祭」でも精米歩合や製法によって味わいがずいぶん違うものだと思った。ワインならヴィンテージ違いを飲むようなものかな。「温度の変化によってもまた違った味わいが楽しめます」というマスター犬田祐寿さんの言葉も納得だ。そうそう、お酒を飲んだらそれと同じ量の水を飲むといいらしい。ハイ、ここ大事だからメモして! 流行は追わない主義だけど、この味わいには納得させられる。「獺祭」は日本酒が身近になるきっかけになることは確かだ。あとは飲むに限る!

獺祭Bar23

1.左から「磨きその先へ」、「磨き二割三分」、「磨き三割九分」、「純米大吟醸50」、「オッター フェスト サケ」。2.唐墨¥2,400。ねっとりとした口当たりが楽しめる最強のアテ。水っけのある大根と味わう。3.海鮮と若芽の酢の物¥1,300。『青柳』小山裕久氏が考案した酢ゼリーを添えたスペシャリテ。4.五種おためし¥3,100。本日のお試し一杯のほか、「磨き三割九分」、「磨き二割三分」、本日の発泡酒、グラスで¥6,500する「磨きその先へ」がお猪口でテイスティングできるお得なセット。三種おためし¥2,100もあり。5.京橋の新しいランドマーク「東京スクエアガーデン」に2013年5月オープン。6.ほかではなかなか味わえない銘柄を最良の状態で堪能できる。

精米歩合酒米の表面にある脂質やたんぱく質など、いわゆる酒の雑味の原因となるものを精米して削り落とし、残った米の重量をパーセントで表したもの。一般的には精米歩合の値が低いほど、高品質で上等と言われる酒になる。また酒造では「削る」というより「磨く」と表現することが一般的。
大吟醸日本酒を製法(精米歩合、麹歩合、アルコール添加量)により区分した酒類のひとつ。精米歩合でいえば70%以下の酒は本醸造酒・純米酒、60%以下が吟醸酒、精米歩合50%以下の酒が大吟醸酒。「純米」の表記があるものはアルコール添加をしていない酒米と米麹で造られた酒のこと。
遠心分離「獺祭」で採用している技術。日本酒の原液もろみを搾る際、袋を重ねたり機械で圧力をかけてもろみと日本酒を分離させる=搾るところ、遠心分離機を用いて圧力を掛けずに搾ることで、純米大吟醸本来の香りやふくらみのある味わいなど、いちばん美味しいところが抽出できる。
獺祭Bar23(京橋)

撮影/寿 友紀 ヘア・メーク/堀 紘輔 スタイリング/中西ナオ 取材・文/粂 真美子