和食STYLE

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平日夜のおもてなしはこれ一品で勝負!「たまごはん©」さんのおうち外交〝炊き込みご飯〟

仕事後にママ友たちとのおうち外交ごはん。十分に準備する時間はないけど、何か手をかけた料理でもてなしたい。
そこで提案したいのが、具材の組み合わせアイデアでみんなをアッと喜ばせられる「炊き込みご飯」。
事前に少し仕込みをしておけば、当日は鍋で炊くだけ! 教えてくれるのは、人気のケータリング「たまごはん©」さん。

濱守球維さん
濱守球維さん 北海道函館市出身の料理家。〝たまちゃん〟の愛称で慕われる。音楽関係の仕事を経て、料理好きが高じて小料理屋の女将に。その後、ケータリング「たまごはん©」をスタート。上品でセンスのいい家庭料理が特徴で、モデルたちからもロケ弁のリクエストが多い。具材の組み合わせアイデアが冴える炊き込みご飯も人気メニューのひとつ。

食材の組み合わせを考えるとき
〝口の中が楽しくなる〟ことを
イメージしてみてください

「どんな味や風味をご飯に染み込ませると美味しくなるかな?
まずはこの土台を考えます。具材の選択肢は限りなくあるけれど、
私は〝旬〟の食材をだしのベースにしています。
次に、味が淡泊にならないよう油っ気や濃厚味などでコクを足すことは絶対! 
仕上げは、苦みや爽やかさ、香りをプラスするトップノートと、食べ続けて単調に
ならないように食感を考えます。味わいが何層にもなり、嗚呼……お箸が止まらない!
そんな炊き込みご飯を目指します」

アサリの炊き込みご飯

アサリの炊き込みご飯

口の中が至福になる〝うま味成分尽くし〟ご飯。アサリとチキンスープのダブルだしが美味のもと。
パセリの香りとナッツの食感もいい仕事をします。仕上げにレモンを加えても。

アサリの炊き込みご飯
アサリの炊き込みご飯
RECIPE

材料

  • 米…3合
  • チキンスープ…700cc
  • 塩……小さじ1
  • しょうゆ…大さじ1/2
  • アサリ…300g
  • ブラウンマッシュルーム
    (くし形4等分に切る)…10~12個
  • アーモンド(砕いておく)…適量
  • パセリ(みじん切り)…3束
  • バター…5g

作り方

  1. にかけたチキンスープに砂出しをしたアサリを入れる。沸騰してアサリの口が開いたら、塩、しょうゆで味を調え冷ます。ザルで濾してスープとアサリの身に分けておく。
  2. 鍋に研いだ米と、❶のスープ700ccを注ぐ。30分〜1時間おいてから中強火で約12分炊く。
  3. その間にフライパンにバターを溶かし、ブラウンマッシュルームを炒める。
  4. 炊き上がった❷に、❸と殻から外したアサリの身を混ぜ込み、蓋をして約10分蒸らす。
    ※見栄えをよくするなら、殻つきのアサリを少し残しておいて仕上げにトッピングにする
  5. 砕いたアーモンド、みじん切りにしたパセリを散らす。
    ※鋳物ホウロウ鍋を使用したレシピです。チキンスープの量や炊く時間はお使いの鍋に合わせて適宜調整してください。

枝豆の炊き込みご飯

春は豆類が旬。最近は春先から出回っている枝豆を主役にしました。
「枝豆の殻」でご飯に風味を染み込ませることでシンプルな味なのに、
滋味深い味わいに。枝豆と梅干しの組み合わせも最高!

せいろ蒸し
ARRANGE
翌日のランチはしらすをのせて「せいろ蒸し」

お茶碗に冷めたご飯をよそい、上にしらすをのせ、せいろ(蒸し器)で10分ほど蒸す。最後にもみ海苔をトッピング。

枝豆の炊き込みご飯

火加減の調整いらず&吹きこぼれの心配なしの炊飯専用土鍋。
土鍋 CT-01 かまどさん三合炊き¥10,000(伊賀焼窯元 長谷園)

枝豆の炊き込みご飯
枝豆の炊き込みご飯
RECIPE

材料

  • 米…3合
  • 昆布&かつお一番だし…570cc
  • 白しょうゆ…大さじ2
  • 梅干し(白干し)…中玉3個
  • 枝豆…約300g

作り方

  1. 枝豆を硬めに茹で、殻をむく。殻は捨てずにとっておく。
  2. 鍋に研いだ米、だし、白しょうゆを入れ30分〜1時間おく。
  3. 梅干し(種ごと)、枝豆の殻をのせ、中強火で約12分炊く。炊き上がったら、すぐに鍋の蓋を取りご飯の上に枝豆の実をのせ、再び蓋をして10分ほど蒸らす。
  4. 一旦蓋を開けて殻と梅干しの種を取り除き、しゃもじで切るようにほぐす。再度蓋をして5分ほど蒸らす。
    ※炊飯用の土鍋を使用したレシピです。だしの量や炊く時間はお使いの鍋に合わせて適宜調整してください。
白しょうゆ
たまちゃんが愛用する「白しょうゆ」
味付けはシンプルに白しょうゆだけ。濃口しょうゆだと、しょうゆの風味が強くなってしまうのと、きれいな食材の色が消されてしまうから。おすすめは赤間醤油の「超淡口醤油 白菊」。東京では東急フードショーで購入可。
鯵とスイカときゅうりの和えもの 3分クッキングでもう一品
鯵とスイカときゅうりの和えもの

用意するのは刺身用の鯵(約2尾分)、きゅうり(1と1/2本)、スイカ(小玉1/6)。きゅうり1/2本は皮のまますりおろして水気を絞り、残り1本はピーラーで皮をむき、斜め薄切りにする。スイカは皮をむき、種を取りスライスする。韓国唐辛子(小さじ1/2)、すりおろしにんにく(1/2片分)、すりおろししょうが(1/2片分)、しょうゆ(大さじ1)を合わせ、即席ヤンニョムを作る。すべてをボウルに入れ、ざっくり混ぜ合わせて出来上がり。

明太子の炊き込みご飯

生明太子と一緒に炊いて混ぜれば、ご飯粒が明太子と一体化し、間違いのない鉄板の味に。ここにホワイトセロリと、黒米を加えることで意表をつく味わいと、フォトジェニックな見た目に昇華。

おにぎり
ARRANGE
余ったら「おにぎり」にしてお土産に

生明太子にごま油を少し混ぜて風味を加えた具材を作り、明太子ご飯でおにぎりにする。こんな贅沢なおにぎりを帰りのお土産にしたら、きっと喜ばれるはず。

明太子の炊き込みご飯
明太子の炊き込みご飯
明太子の炊き込みご飯
RECIPE

材料

  • 米…3合
  • 水…560cc
  • 黒米…大さじ3
  • 昆布…約6cm四方を1枚
  • 生明太子…大ぶりひと腹
    (小ぶりなら2腹)
  • 白しょうゆ…大さじ2
  • ホワイトセロリ(みじん切り)…1束
  • 焼き明太子…大ぶりひと腹
    (小ぶりなら2腹)
    ※生明太子をグリルやオーブントースターで表面に焼き色が付くまで焼く

作り方

  1. 鍋に研いだ米、水、白しょうゆ、黒米を入れ軽く混ぜ、上に昆布、皮から出した生明太子をのせ、30分〜1時間おく。中強火で約12分炊き、火を止めて10分蒸らす。
  2. 鍋の蓋を開け、昆布を取り出し、さっくりとほぐし、再度10分ほど蒸らした後、細かくほぐした焼き明太子、ホワイトセロリを散らす。
    ※鋳物ホウロウ鍋を使用したレシピです。水の量や炊く時間はお使いの鍋に合わせて適宜調整してください。
オクラと長芋の梅和え 3分クッキングでもう一品
オクラと長芋の梅和え

茹でたオクラ(10本)は小口切りに、5㎝の長芋は皮をむいて1㎝くらいの角切りに。種を取って包丁で叩いた白干しの梅干し(1個)と、みりん(大さじ1/2)、しょうゆ(大さじ1/2)、オリーブオイル(大さじ1)を混ぜた梅肉タレと和える。

新ごぼうと牛しぐれ煮の
炊き込みご飯

やわらかくて味も香りも上品な新ごぼうを一緒に炊き込んだご飯に、牛しぐれ煮をトッピングすれば、おかずいらずの一品に。王道の味に、クセのあるクレソンで変化球を投入。

お茶漬け
ARRANGE
飲み帰りの旦那さんに締めの「お茶漬け」を

茶碗にご飯をよそい、緑茶をかけていただく。ご飯が甘辛いので、緑茶の苦味で味が締まる。ご主人の深夜ご飯や翌日のランチに!

新ごぼうと牛しぐれ煮の炊き込みご飯

土鍋 CT-01 かまどさん三合炊き
¥10,000(伊賀焼窯元 長谷園)

新ごぼうと牛しぐれ煮の炊き込みご飯
新ごぼうと牛しぐれ煮の炊き込みご飯
RECIPE

材料

  • 米…3合
  • 水…550cc
  • 昆布…約6cm四方を1枚
  • 新ごぼう(ささがき)…1.5本
  • 和牛切り落とし…250g
  • 砂糖…大さじ1/2
  • しょうゆ…大さじ1
  • クレソンの葉と茎の上の部分…2束分
  • a
    みりん…大さじ1
    白しょうゆ…大さじ1と1/2
    しょうゆ…大さじ1
※炊飯用の土鍋を使用したレシピです。水の量や炊く時間はお使いの鍋に合わせて適宜調整してください。

作り方

  1. 鍋に研いだ米と水、調味料aを入れ、昆布と薄くささがきにしたごぼうをのせ、30分〜1時間おく。中強火で約12分炊き、火を止めて10分蒸らす。
  2. その間に牛しぐれ煮を作る。牛肉を1㎝幅に切り、砂糖、しょうゆで炒りつける。
  3. 鍋の蓋を開け昆布を取り出し、さっくりとほぐした後、❷の牛しぐれ煮、一口大に切ったクレソンをのせる。再度蓋をして1分ほど蒸らしてクレソンに軽く熱を通す。
クレソン塩昆布レモン 3分クッキングでもう一品
クレソン塩昆布レモン

炊き込みご飯で使わなかったクレソンの茎の下の部分をボウルに入れてたっぷりの熱湯をまわしかける。クレソンの香りが立ってきたらザルに上げて水で締める。水気をしっかり切って4㎝幅に切る。薄切りにしたラディッシュ(3~5個分)と合わせ、塩少々を加え軽く揉む。さらに塩昆布を入れて軽く混ぜて、オリーブオイル適量とレモンの搾り汁を混ぜて好みの酸味に仕上げる。

料理/濱守球維 撮影/三村健二 取材・文/藤井そのこ 撮影協力/UTUWA 構成/渋澤しょうこ

VERY 2018年5月号より