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光文社厳選!和食情報ナビ

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NIPPONの「和食遺産」を巡る旅 福岡・合馬の「たけのこ」

食用で最もポピュラーな品種が孟宗竹のたけのこ。
九州では12月頃から早掘りたけのこが出荷されますが、旬は3月~5月。
粘土質の赤土で育つ北九州市合馬産のたけのこは、えぐみが少なく、上質なたけのこが採れることで知られています。

前田ゆかさん、「極みの筍づくし」で春の滋味を堪能

春の味覚を代表する食材といえば、たけのこ。
全国一の生産量を誇る福岡のなかでも、極上のブランドたけのこの産地として有名な北九州市の合馬地区を訪ねて、掘りたてのたけのこ料理を満喫しました。

福岡きっての高級たけのこの産地・合馬で、たけのこ掘りを体験しました

まずは、たけのこ掘りの基本から

たけのこ掘り

地中に埋まっているたけのこを探す最初のステップは、土の表面に少しひびが入っている場所を見つけること。

たけのこ掘り

地割れを見つけたら、周りの土を取り除いていきます。頭が見えたら当たり。傷つけないようにそっと掘っていきます。

たけのこ掘り

根が深く張っているので、底の部分が見えるまで、さらに周囲を掘り進めます。姿を現わしたら穂先の向きに注目を。

たけのこ掘り

なるべく底の部分にくわを差し込んで根元を切ります。そのとき穂先が向いている方向にくわを入れるのがコツ。

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たけのこは鮮度が命!採れたては生でもOK

北九州市の竹林面積は、約1,500haと全国有数。小倉市内から車で約30分も走ると、合馬地区の広大な竹林が見えてきます。この竹林で採れるたけのこは、極上品として知名度が高く、京都の料亭や、東京のレストランにも出荷されているのだそう。旬のシーズンになると、たけのこ掘り体験ができる場所もあると聞き、さっそく体験しに出かけました。訪れたのは「合馬観光たけのこ園」。毎年3月中旬からGWまでの期間限定で開園していて、掘り方も教えてくれるので初心者にも好評です。

前田3月上旬だと、時季としてはまだ少し早いのかと思っていましたが、平日の午前中でもずいぶんたくさんのお客さんがいらっしゃるんですね

――そうですね。今の時季は、まだ小ぶりですが、併設の食事処では2月下旬からたけのこづくしのコースを提供しているので、それを目当てに県外からも大勢のお客さまがお見えになります。

前田さすが、ブランドたけのこですね。旬の味をいち早く味わいたいという方が多いのでしょうね。今日は、たけのこ掘りを楽しみにしてきましたが、素人でも簡単に掘れますか?

――保育園の子供たちも掘りに来ますから大丈夫ですよ。ただ、山の中に入るので、長靴などの歩きやすい靴やグローブを用意してきてください。

前田はい。ではご指導よろしくお願いします。竹林の広さはどのくらいですか?

――約2haです。最盛期には800㎏~1tくらい掘ります。

前田わぁーすごい!ところで、こんな道なき道を登って行くんですか?足元が滑るし、けっこうハードですね

――赤土は粘土質で滑りやすいから気をつけてくださいね。

前田この赤土こそが、美味しいたけのこを育む秘訣ですか?

――土壌も大事ですが、気候条件に左右されるところが大きいです。乾燥に弱く、昼と夜の寒暖差が大きいほど、えぐみのないたけのこが育ちます。

前田それにしても、いったいどこにたけのこが埋まっているのかまったくわからないのですが。土から顔を出していたら見つけやすいのに、やはり地表に出てしまったらダメなんですか?

――空気に触れると硬くなるので、土の中から出てしまうと鮮度が落ちてしまうのです。

前田見つけるコツはありますか? やはり長年の勘ですか?

――地割れが目印です。ほら、ここにひびが入っているでしょう?この周りを掘っていきます。

前田これが地割れですか? 素人には見つけられないです。ここを掘ると……、あっ、出てきた!どこまで掘ればいいのですか?

――たけのこの根が見えたらトンボ(穂先)の向きを確認してください。トンボが向いている方向にくわを差し込んで、あとは、てこの応用で持ち上げるだけです。

前田わぁー採れました! 色が白くてきれい

――皮を剝いて、ぜひ採れたてを味わってみてください。

たけのこ

白くてキレイな
たけのこをゲット!

無事に収穫してマエユカさんもにっこり。たけのこは、空気に触れると皮が黒ずんで硬くなるので収穫後も日に当てないようにして、皮付きのままなるべく早く下茹でするのがポイント。

その場で皮を剝いていただき、掘りたてのたけのこをお味見させてもらうことに。「全然えぐみがないし、みずみずしくて甘みがありますね。生で食べられるなんてびっくり」。

良質な土壌と寒暖差が極上のたけのこを育成

前田えぐみがまったくないですね。なんと表現したらいいのかしら。生のとうもろこしのよう?

――よく、梨のような味といいますが、掘ってから30分以内なら生のまま食べられます。

前田これが本物の、たけのこのお刺身といわれるものなんですね。掘った分は買い取れますか?

――たけのこ掘り体験の場合は、入園料だけいただき、掘った分はお買い上げいただいています。

前田お値段は時価ですよね?

――その年の収穫状況によって異なりますが、今年は3月の頭に1㎏¥2,500でしたが、収穫のピーク時には1㎏¥1、000ぐらいになると思います。朝掘りたけのこは、全国配送も2㎏から承っていて、都内の有名なイタリアンレストランからもよく注文をいただいています。

前田いちばん美味しいのは4月ですか?

――好みですが、出始めは香りを、盛りのころは味の深さを楽しめます。また、5月になると「白子」と呼ばれる真っ白で軟らかいたけのこが採れますが、これが最も美味しいといわれています。

前田今日掘ったのも白かったけど、さらに白いんですか?一度見てみたい。採れたては新鮮なのが当たり前ですが、今まで味わったものとは全然違うので本当に驚きました。合馬のたけのこがブランド化されている理由は、どこにあるのですか?

――たけのこの生産には、適度な水分を含んだ粘土質の赤土が適しているとされていますが、シーズンオフの山の手入れをきちんとしないと良質なたけのこは採れません。竹には雌と雄があって、雌竹を80%、雄竹を20%の割合で残し、5年経ったら全部切ります。また、たけのこの元になる根が地表に出ないように、土をかぶせる客土を行い、年3回有機肥料も撒いています。それでも、夏場に乾燥しすぎたり、台風が来たりすると収穫に影響が出るので難しいです。

前田きちんと手をかけているからこそ美味しいたけのこが採れるんですね。今度は希少な白子をぜひ食べに来たいと思います

合馬観光たけのこ園

たけのこ掘りやたけのこ料理、合馬の旬を満喫できるスポット

九州自動車道の小倉南I.C.から車で約5分、たけのこの名産地・合馬の中でも最も美味しいとされる麻生地区にあるたけのこ園。たけのこ掘り体験をはじめ、朝掘りたけのこの直販、全国配送、併設の食事処「合馬茶屋」ではたけのこづくしのコース料理も味わえます。

福岡県北九州市小倉南区大字合馬1187 / TEL093-451-0977
FAX093-451-6601 開園期間3/21~5/5 9:00~16:00(たけのこ掘り体験は14:00までに入園)入園料¥300(小人¥150)くわ貸出し料¥100/1本 Web:http://www.ohma.jp

合馬観光たけのこ園

鮮度が命のたけのこ。採れたての美味しさを味わえるのも産地ならでは

  • 合馬茶屋
  • 合馬茶屋

たけのこは、空気に触れるとどんどん鮮度が落ちていくので、なるべく早く下茹でするのが美味しくいただくポイント。
合馬のたけのこは、えぐみが少ないので糠を入れてアク抜きする必要がなく、土を洗い流したら、皮付きのまま真水で40~60分茹でればOK。皮を付けたまま茹でると風味が逃げず、香りもいいそう。
そのまま冷めるまで置いてから、さまざまな調理法で旬の味覚を楽しみます。地元のおすすめは、たけのこの刺身と焼筍。生で食す場合は、掘って30分以上経つとえぐみが出るので、下茹でしたものを薄くスライスして食すのがポピュラー。
焼筍は茹でずに、皮付きのまま蒸して焼くと美味しいそう。ホクホクとした旨みと香ばしい香りは、まさに春の旬味です。

合馬茶屋

撮影/谷口 京 モデル/前田ゆか スタイリスト/鈴木仁美 ヘア・メーク/栄 美穂 取材・構成/秋山美英 協力/九州観光推進機構