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光文社厳選!和食情報ナビ

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行きつけの酒と美味 たまには欲しい大人のぬくもり しっぽりと小鍋で向き合う冬の宵

ぐつぐつと煮えたぎる10号鍋を大勢で小突き回すだけが鍋にあらず。
しっぽりじんわり差し向かうなら、小ぶりに仕立てた品のいい鍋を挟んで酌し合えるのも、冬ならではの幸せだ。
今宵は、色気ある小鍋でどうぞ一杯。

「出汁はもちろん、鮨などごはんで酒を飲むのが好き」という店主・渡邊大将氏。締めの炊き込みご飯も絶品。こぢんまりした造りだが、美味の感動は無限大。

三軒茶屋鈴しろ すずしろ

  • 住所:東京都世田谷区三軒茶屋2-6-9
  • 電話:03-3413-2570
  • 営業時間:18:00~24:00(L.O.) / 休日:月曜休
  • 席数:カウンター8席※全席禁煙
  • サービス料:なし※カード使用不可
  • 予約:要予約
  • 最寄駅:東急田園都市線「三軒茶屋駅」から徒歩約7分、東急世田谷線「西太子堂駅」から徒歩約5分
  • オープン年月:2014年5月
  • 酒の種類:日本酒は冷酒14種類、常温7種類の他、季節の日本酒など常時30種類を1杯¥850均一で揃える。
  • 客層:年齢層は40~50代が中心。夫婦での利用も多く、沿線の住人や日本酒好きも集う。
三軒茶屋 鈴しろ
〈左から〉石鎚 純米吟醸、山和 特別純米、長珍 ひやおろし原酒。一律¥850。3銘柄とも『鈴しろ』に来店したことのある蔵元の酒。信頼関係は深い。

旨し“出汁”で酒を飲ませる
味よし、人よし、の最新優良店

繁華街の喧噪を離れた、住宅街に差し掛かる通り沿い。オープンしてまだ1年数カ月というのに、往年の名居酒屋を思わせる安定感はどうだ。「出汁で飲ませる」というコンセプトも愉快痛快。左党でなくとも、これにはがぜん飲む気が沸き起こるというものだ。
品書につらつらと並ぶ垂涎の料理、要となるのはカツオ節と昆布の一番出汁である。純粋かつ、ぶれない旨味がこの店の味を支えている。「酒に合うから」と、小鍋は通年メニューに固定しているのも嬉しい差配である。たとえば「若柳牛の肉豆腐小鍋」なら、お燗が旨い滋賀の酒「七本鎗」を持ってくる。
澄んだ出汁で火を入れすぎずに仕上げる肉は柔らかで、焼きネギが美味の追い打ちをかける。汁をすすって、酒をツイーっと。五臓六腑に染み渡るとは、まさにこのこと。何を頼んでも間違いないが、締めには素材使いが抜群な炊き込みご飯はお忘れなきよう。酒の進み具合によって味の濃淡を加減するというやり手の店主に身を委ね、後は心地よくなるばかりだ。
手放したくない1軒である。

店は新橋の雑居ビルの2階。カウンター4席とテーブル6席という狭小空間だが極上の料理と美酒が待っている。

新橋新橋 酛 しんばし もと

  • 住所:東京都港区新橋3-16-22 池野6号ビル2F
  • 電話:03-6459-0467
  • 営業時間:15:00~22:30(L.O.)、土曜12:00~20:00(L.O.) / 休日:日曜・祝日休※不定休あり
  • 席数:カウンター4席、テーブル6席※全席禁煙
  • サービス料:なし
  • 予約:要予約
  • 最寄駅:JR山手線「新橋駅」から徒歩約3分
  • オープン年月:2010年6月
  • 酒の種類:日本酒は常時40種前後。メニューにないものが多いので、上野氏と好みを相談しながらおすすめしてもらうのがいい。
  • 客層:40~60代の男性中心だが、女性客も4割ほど。早い時間の予約は取りやすい。
新橋 酛
〈左から〉「川中島 幻舞」特別純米無濾過生原酒、「遊穂」生酛純米無濾過生原酒、「十九」無濾過生原酒、「秀鳳」山廃純米吟醸。すべてグラス¥600(税込)

小さな店だからこそ料理も酒も柔軟。
冬に嬉しい小鍋料理を特別に

「その日の仕入れでメニューは変わるので、鴨の小鍋が食べたい時は事前に言っていただけると助かります」と店主の鈴木隆之氏が話せば、料理長の上野智紀氏もすかさずうなずく。
今回、小鍋企画に特別メニューを作ってくれたのは「新橋 酛」。二人で切り盛りするわずか10席の店ながら、夜の予約は実に約2カ月先まで埋まる、和食と日本酒の小さな実力店である。
朝締めの鴨を芹や牛蒡、ネギと味わうこの鍋、滋味豊かでクリアな出汁の味わいは即興で生まれたとは思えないほどの完成度。そこにすっと日本酒が寄り添う。
「料理で50、酒で50、合わせて100点になればいい」と鈴木氏が言えば、「そこにお客様との会話も加わり、楽しい空間になればさらに嬉しい」と上野氏。
この二人、お客さんが喜ぶことならば厭わないという姿勢が、料理にも酒にも、この小さな店のすべてに充満しているのだ。
だからこの店での正解は、料理に合わせて酒はおまかせ。そこでは二人合わせて100点のもてなしが待っている。

店内中央には磨きこまれた12席のカウンター。すぐに味わえる大皿のおばんざいが名物で、ポテトサラダや鳳凰卵の出し巻など、毎日6種類が並ぶ。

新宿三丁目 かなえ

  • 住所:東京都新宿区新宿3-12-12 B1
  • 電話:03-3352-7646
  • 営業時間:17:00~24:00(22:45L.O.)、日曜・祝日16:30~23:00(21:45L.O.) / 休日:無休
  • 席数:カウンター12席、テーブル60席※全席喫煙可
  • お通し:¥540
  • 予約:予約がベター
  • 最寄駅:東京メトロ丸の内線ほか「新宿三丁目駅」から徒歩約3分
  • オープン年月:1972年
  • 酒の種類:常時50~60銘柄を揃える日本酒が有名だが、日本ワインや焼酎、泡盛、サワーまで一通りの酒が揃う。
  • 客層:若くて30代、40~60代が中心で、何十年も通い続ける常連なども。最近は女性客も増え3割ほど。
鼎
〈左から〉「悦凱陣 純米 無濾過 オオセト・雄町」¥1,100、「磯自慢 純米吟醸」¥1,300、「新政ナンバー・シックス Sタイプ」¥1,300(すべて税込)

魚はすべて産地指定の天然モノ。
鮮魚自慢の酒場にある小鍋は必食

「はい、刺し身3種盛りね~」威勢よく差し出された刺し身は〆鯖にカンパチ、中トロと炙り。ん、これは4種では。と問えば「中トロも炙りもどっちもマグロだからね。魚は3種だよ」と料理長の下重勝弘氏は豪快に笑う。
40年以上にわたって愛される新宿三丁目の酒場「鼎」は、そんな豪快かつ鮮度抜群の魚料理と、種類豊富な日本酒で、夜な夜な賑わう古典酒場だ。
そして店の隠れた人気メニューが年間通してメニューにある「葱鮪鍋」。
刺し身でももちろん味わえる脂ののったトロを小鍋に盛り付けた一品は、冬の鍋というよりは、ひとりでも楽しめる酒肴の趣き。軽く火を通すだけで刺し身のように味わってよし、丁寧にとった出汁と一緒に吸い物の要領で飲み干すもよし。とにかく、これ一杯でいくつもの楽しみ方ができるのだ。
磨きこまれた味のあるカウンターに陣取り、小さな鍋を突く冬の幸せ。聞けば、客の8割はリピーターだというから驚きだ。長く愛され続ける同店の魅力を、湯気をくゆらす小さな鍋からたっぷりと感じてほしい。

恵比寿駅西口からすぐの好立地ながら、店内は落ち着きある大人の佇まい。木や古材、酒蔵で使われていた槽(ふね)などを装飾に使い、シックな雰囲気に。

恵比寿あこや

  • 住所:東京都渋谷区恵比寿南1-4-4
  • 電話:03-6451-2467
  • 営業時間:18:00~24:00(23:00L.O.) / 休日:不定休
  • 席数:カウンター9席、テーブル18席※全席禁煙
  • お通し:¥500/li>
  • 予約:予約がベター
  • 最寄駅:JR山手線ほか「恵比寿駅」から徒歩約1分
  • オープン年:2013年12月
  • 酒の種類:基本銘柄を約20種と季節の酒を10種程度。蔵元の顔がわかる酒にこだわり、取り揃えている。
  • 客層:30代以上が中心で、混みあう金・土・日曜は事前の予約が必要。
あこや
〈右から〉「英君 特別純米 袋吊り雫酒」、「はくろすいしゅ 純米吟醸」、「互 純米吟醸 中継ぎ 生」すべて半合¥500。

貝の肝を使った大人の小鍋は
日本酒を呼ぶ、まさに冬の至福

貝で一献。そんなちょっと通好みの大人を喜ばせる店がある。知る人ぞ知る高円寺の貝専門店「あぶさん」の姉妹店として、2013年12月に恵比寿駅前に誕生した「あこや」がそれだ。巨大なアメリカンチェリーのカウンターが広がる店内では、常時15~20種の貝を取り揃え、貝尽くしが楽しめる。さらに産地や蔵元まで赴き、厳選を重ねた日本酒と一緒に味わうのがあこや流。
新鮮な活き貝は、焼き、刺し、蒸し物、ステーキとさまざまな調理で楽しませてくれるのだが、常連の多くがオーダーするのが、貝の肝を使ったすき焼き。
その日に使う貝の内容は変わるのだが、今であればタイラ貝や白ミル貝の肝をボイルした後、貝のエキスで作ったツメで炊き、貝の滋味を一度染み込ませる。それを熱々の状態で卓上へ運び、新鮮な生卵と絡めて味わう至福。
肝の苦味や独特の食感は、牛肉のすき焼きとは違う魅力を教えてくれる。これぞ大人のすき焼き。貝好き、酒好きは是非。

間伐材を多用した木調の店内。テーブル席側の壁絵は陶芸家・鹿児島睦氏によるもの。カフェ風のナチュラルな空間ながら、居酒屋らしい誠実な料理が楽しめる。

恵比寿森の机もりのつくえ

  • 住所:東京都渋谷区恵比寿南1-18-9 Time zoneヒルトップビル3F
  • 電話:03-3710-8383
  • 営業時間:18:00~23:00(L.O.)、土曜・祝日17:00〜22:00(L.O.)
  • 休日:日曜不定休(店舗にお問合わせください)
  • 席数:カウンター14席、テーブル26席、最大10名個室1室※全席禁煙
  • サービス料:10%
  • 予約:不要
  • 最寄駅:JR山手線ほか「恵比寿駅」から徒歩約5分
  • オープン年:2014年11月
  • 酒の種類:日本ワイン常時18種類、3種類試せるグラステイスティングは10種を揃える。果実酒は50種と充実。
  • 客層:年齢層は30代前後。日によって男女比は異なるが、女性客多数。
森の机
〈左から〉井筒NACメルロー2014¥4,500、小布施ドメーヌソガ シャルドネ ヴィーニサンシミ2013¥7,000、SAYS FARMオジコシャルドネ2013¥5,800。

木の温もり溢れる北欧風の空間で
キノコととろろの小鍋に癒やされる

恵比寿駅西口から線路沿いの坂を上ると、そこは美味の名店がひしめく注目のエリア。丘の上の一角、新しさが目立つビルの3階に位置するこちらは、外苑前『机』が昨年移転オープンした店だ。
以前より、鍋が名物だったというだけに、小鍋の実力は察しがつくというもの。「カツオ節と昆布だけでは上品すぎる」と、出汁には旨みの強いサバ節を合わせ、最後の1滴まで飲み尽くせる味わいに。具は数種類の滋味深いキノコをたっぷりと、長芋と大和芋をブレンドしたとろろを出汁に溶いて味わうのが美味なる作法。濃度を増した出汁は食欲を促し、体を芯から温めてくれる。豆皿の酒肴や小鉢、逸品料理、サラダ、卵料理、ごはんまで。メニューは枚挙にいとまがなく、実に悩ましい。
酒は長野、富山、新潟、山形、北海道などそれぞれの地ブドウを使った日本ワインが充実。ロットが少ないので他ではあまりお目に掛かれない銘柄に出合える。
男同士よりも、女性を交えての来店をお勧めしたい。料理、酒、空間、人。四拍子揃った名店ゆえ、男の株が上がるはずだ。

今年4月のオープンだが、年季の入った大衆居酒屋といった佇まい。作家ものの器や酒器など興味を引く要素が満載。腰を落ち着けて美味と酒を堪能したい。

吉祥寺ワインと日本酒 大槻 おおつき

  • 住所:東京都武蔵野市吉祥寺北町1-10-22 ベルハイム吉祥寺105
  • 電話:070-2806-8899
  • 営業時間:17:00~24:00(L.O.) / 休日:不定休
  • 席数:カウンター8席、テーブル4席※全席禁煙
  • サービス料:なし
  • 予約:要予約
  • 最寄駅:JR中央線「吉祥寺駅」から徒歩約5分
  • オープン年:2015年4月
  • 酒の種類:お燗にして美味しい日本酒とヴァンナチュール、強炭酸にこだわるレモンサワーといった炭酸系アルコールもおすすめ。
  • 客層:年齢層は30~50代が中心。近隣住人の他、ワインと日本酒目当てに都心から足を運ぶ客も。
ワインと日本酒 大槻
〈右から〉日置桜 生酛玉榮¥950、玉櫻 生酛 純米五百万石¥850、小笹屋 竹鶴 純米原酒¥950。燗にして美味しい日本酒を揃える。

出汁香る旬素材の小鍋と燗酒と。
日常に根差す新しき大衆居酒屋

聞けば、吉祥寺は燗酒文化が花開き、定着した街だという。燗酒にこだわる名店も数多く点在するそうで、ここ『ワインと日本酒 大槻』もそのひとつに名を連ねる。店主の大槻俊也氏は『オーツキバル』『オーツキ食堂』を経て、今年4月に移転。「ビールやレモンサワーのように、ヴァンナチュールや燗酒が日常の酒として当たり前のように飲まれる店を」と、大衆居酒屋に振り切った。
この店の実力のほどは、品書きを見れば一目瞭然。たとえば、この日は「牡蠣と春菊の小鍋」ときた。カツオ昆布出汁をベースに、その時々の旬の食材を主役に、合いそうな味付けで、凝りすぎず、程よい力加減の料理を気楽かつ懐に優しく供するのがポリシーだ。
下町酒場の正式という強炭酸のレモンサワーもいいが、やはり燗酒を嗜みたい。ぬる燗にせよ、熱燗にせよ、お燗向きの日本酒には„出汁“を感じさせる味わいがある。小鍋と燗酒、旨味と旨味の相乗効果はいかばかりか。
こうなっては、止める術はないと心得たい。

関西版

割烹風にカウンター前で調理するため、音や香りが届き、臨場感も楽しめる。気になる料理や酒があれば、気さくな山内氏やスタッフに気軽に尋ねてみよう。

京都・先斗町酒亭ばんから

  • 住所:京都府京都市中京区先斗町通四条上ル鍋屋町209-8
  • 電話:075-221-5118
  • 営業時間:17:30〜22:00(L.O.) / 休日:火曜休
  • 席数:1階/カウンター8席、2階/テーブル20席※全席禁煙
  • お通し:¥600
  • 予約:要予約
  • 最寄駅:阪急京都線「河原町駅」から徒歩約3分
  • オープン年月:2010年7月
  • 酒の種類:全国の地酒をメインに扱い、「本日の冷酒」が10〜12種類、ひや、燗用が約15種類各1合¥580〜揃う。焼酎は約20種類¥530〜。
  • 客層:20〜70代と年齢層は幅広く、男女比は7:3。地元客と観光客は半々。1、2名ならカウンター、グループなら2階席と使い分ける常連も。
酒亭ばんから
「招徳」、「蒼空」、「玉川」など、京都の地酒も充実。
酒選びを山内氏に任せてみるのも一興だ。

先斗町の路地にある隠れ家で
京野菜入りの小鍋にて、一献

昔ながらのお茶屋や飲食店が軒を連ねる先斗町通の、「通りぬけできまへん」な21番路地。小さな杉玉と提灯を目印に訪ねよう。
地酒と酒肴をこよなく愛する店主・山内茂和氏が、京都らしさを盛り込んだ旬の食材をあの手この手で左党垂涎の佳肴に仕立てる。
季節の野菜や魚の小鍋も常時2、3登場するなか、山内氏が勧めるのは「黒毛和牛すじ肉と九条葱の土鍋煮」。曰く、「通年メニューですが、九条ネギがぐっと甘くなる今の時季にぜひ食べてほしい」。
上物のカツオ節と、2年寝かせた北海道・香深産の昆布などでとった出汁がベースで、湯気と共に芳醇な香りが立ち上る。青み鮮やかな九条ネギは、淡い苦みの後に感じる甘さが格別だ。最初のシャキシャキ感と、熱が通ってくったりとした食感、2度楽しめるのも小鍋ならでは。薄味で下茹でした牛スジ肉は、ふるりと舌の上で震え、噛めばじわじわと旨みを広げる。「熱い鍋には熱い酒を」と勧められた丹後の地酒がふわりと旨い。体の芯から温まれば、年の瀬の慌ただしさもしばし忘れられよう。

北野坂を折れた細い路地に立つ、小さなビルの地下に店はある。隠れ家と呼ぶのにふさわしい。奥さんの仁美さんと2人で営む。

兵庫・三宮煮あくつ

  • 住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-27-6 プランドールハンター坂B1
  • 電話:078-242-8304
  • 営業時間:17:00〜22:30(L.O.)/ 休日:水曜休
  • 席数:カウンター6席、テーブル8席※全席禁煙
  • 付出し:¥600 ※カード使用不可
  • 予約:した方がよい
  • 最寄駅:各線「三宮駅」から徒歩約10分
  • オープン年月:2001年6月
  • 酒の種類:日本酒は常時10種類前後で銘柄は入れ替え。1合¥800〜。焼酎グラス¥660〜。
  • 客層:医師や自営業者などが多い。年代は40〜60代が多く、男女比は6:4。未成年は入店不可。

飲ませる煮物のバリエーションは
折々に多種多様

修業時代に煮方を任されていたという、 圷幸夫氏。独立に際し、主役を煮物でと決め、この店名を掲げたという。
看板料理のひとつであるおでんには、10種類ほどのネタを用意。ぐつぐつ煮込むタイプではなく、注文ごとに素材を調理し、鶏ベースの出汁を注ぐスタイルで供する。
小鍋料理は月替わりで。カンカンに熱した土鍋に生の豆苗を載せて、セコ蟹やワタリ蟹など旬の蟹の身たっぷりのあんをかけて。
一方、洋にも振って、バターソテーした白甘鯛と、パンチェッタやカリフラワーなどの野菜を炒め煮にした小鍋もいいアテに。飲ませる煮物が勢揃いだ。

店主の江越一成氏は北新地や芦屋の割烹で修業し29歳で独立。若いスタッフが中心のカウンターゆえ、初めてでも心配無用。

大阪・心斎橋四季彩 一成 しきさい いっせい

  • 住所:大阪府大阪市中央区東心斎橋1-15-11 日宝周防町エレガンスビル2F
  • 電話:06-6241-2082
  • 営業時間:18:00〜翌2:00(L.O.)※日曜は〜24:00閉店 / 休日:月曜休
  • 席数:カウンター7席、2~10名座敷個室2室※全席喫煙可
  • 付出し:¥500
  • 予約:した方がよい
  • 最寄駅:市営地下鉄各線「長堀橋駅」または「心斎橋駅」から徒歩約5分
  • オープン年月:2008年8月
  • 酒の種類:日本酒は常時10種類前後で1合¥1,000〜。焼酎は麦、芋、黒糖など各種グラス¥550〜。
  • 客層:40〜60代が多く、男女比は6:4。カウンター席では男性の1人客も多い。

フルフルのスッポン、滋味深い出汁も、
明日への御馳走

いつの時代も夜の街・ミナミは懐ろ深く、酔客を優しく迎え入れてくれる。
特にこちらは深夜まで営業しており、時間帯やお腹の具合に応じて、50を超える品書きの中から自在に注文できるのもいい。造りに天ぷら、コロッケもあれば、締めに「自家製キーマカレーのつけ麺フォー」なんて面白い品までスタンバイ。
小鍋料理も通年毎日1、2品用意する。この時季はスッポンで精をつけたい。水、昆布、酒で丁寧にアクをとり、2日かけて煮込んだスッポン。仕上げにえぐみの少ない澄んだマグロ出汁と、豆腐、季節の野菜を合わせて煮込む。滋味深い出汁が、五臓六腑に染み渡る。

撮影/岡本 寿、鈴木拓也、富澤 元、上田佳代子、竹中稔彦、山田絵理 取材・文/粂 真美子、大西健俊、泡☆盛子、三好彩子

Gainer 2016年1月号より