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光文社厳選!和食情報ナビ

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NIPPONの「和食遺産」を巡る旅 郷土料理編 青森の「いちご煮」

若狭湾
ロケ地は三陸復興国立公園に指定されている八戸市の種差海岸。
波打ち際まで天然芝生が広がる壮大な景色は全国でも珍しく、高山植物やウミネコが共生する自然豊かなビュースポットです。

前田ゆかさん、都へ続く鯖街道で若狭ものを堪能

今月の郷土料理を探す旅の舞台は、青森県の太平洋沿岸地域。
八戸市の種差海岸から県の最東南端に位置する階上町周辺は、三陸復興国立公園に指定されているエリアで、美しい自然と美味の宝庫。
トレイルコースとしても人気の海岸線でダイナミックな風景と豪華な海の幸を堪能しました。

北三陸の海の恵みを贅沢に使った漁師料理に由来するお吸い物

ハレの日に欠かせないウニとアワビの潮汁

いちご煮
階上町大蛇漁港のウニ漁は6〜8月下旬まで。女性は海に潜らず、岩場で立ち獲りするそう。ひと月に5〜6日間、2週間おきに漁が行われます。
  • いちご煮
  • ウニ&アワビ ♡最強コンビでめちゃくちゃ贅沢〜!

八戸周辺の漁村で古くから食されてきた浜料理が「いちご煮」。そのネーミングから、苺を煮たものを連想する人もいたそうですが、今では青森を代表する郷土料理として知られています。実際の料理は、アワビとウニのシンプルなお吸い物で、名前の由来は、乳白色の出汁に、黄金色のウニが瑞々しく映える様子が朝露の中に咲く野いちごのように見えることからきているそう。
美しいリアス海岸が続く青森県最東南端の町、階上町では毎年7月末に“いちご煮まつり”が催され、いちご煮の美味しさを県内外に発信してきました。
階上漁業協同組合女性部の荒谷恵子さんに話を伺うと、「この辺では昔からカゼ(ウニ)とアンビ(アワビ)がよく獲れたので、漁師たちは素潜りで冷えた体を温めるために、獲ってきたばかりのカゼやアンビを豪快に鍋に入れて食べていたんです。
それが徐々に洗練されてきて、現在の潮汁の形に変化していきました」とのこと。
今でも冠婚葬祭やお正月には欠かせないごちそうですが、ここ3年ほど食べられない状態が続いていたのだとか。
理由は、2011年に起きた東日本大震災による津波被害。
海産物は壊滅的な被害を受け、ウニは泥臭くてとても食べられる状態ではなかったそう。
ようやく海の環境も再生し、美味しいウニが食べられるようになった現実を知り、震災によるダメージの大きさを改めて思い知らされました。

 材料は超豪華素材!

  • ウニこの地域で獲れるウニは、ムラサキウニとバフンウニ。いちご煮には身が締まったムラサキウニを使用。
  • アワビアワビは、稚貝を2年ほど育ててから海に放していて、3〜5年経つとこんなに大きく育つのだそう。
ウニ
取材時はちょうどウニ漁が行われた日で、浜は大忙し。
目の前の海で獲れたばかりのウニを仕分けする様子を拝見。

ウニもアワビもたっぷり、豪快に入れるのが漁師町の元祖いちご煮

階上町の大蛇漁港で獲れたばかりのウニとアワビで、荒谷さんに元祖いちご煮の作り方を教えていただきました。

倉本「あっ、まだ動いてる。たった今目の前の海で獲ってきたばかりのウニとアワビだから新鮮そのものですね。これは絶対美味しいに決まってる〜」

――お店で出しているいちご煮は、アワビを薄めに切りますが、私たちは厚く切って、量もたっぷり使います

倉本「すごい贅沢! 調理のポイントなどはありますか?」

――ウニとアワビをサッと出汁にくぐらせて半生状態にするのですが、アワビは煮すぎると硬くなるので火の通し加減がポイントです。
出来立てをまずはお味見してみてください。

倉本「うわ〜! ゴージャス〜!! 磯の香りがたまりませんね………。美味しすぎて言葉になりません。最高のごちそうを堪能させていただきました」

バフンウニ

階上漁業協同組合女性部部長の荒谷さんに、バフンウニとムラサキウニの違いを教わるヤッコちゃん。

  • ウニ
  • アワビ

寒さ厳しい三陸の荒磯で育まれたウニは身が引き締まり、味が濃いのが特徴。アワビは厚めに切って贅沢に使用。

  • ウニ
  • アワビ

殻から出したウニを、ザルのままかつお出汁の中に浸し、同様にアワビもサッと火を通して半生状態に。

いちご煮レシピ

材料(4人分)

  • 生ウニ 150g
  • アワビ 大1個
  • かつお出汁 800cc
  • 塩 適量
  • 酒 適量
  • 大葉 5枚

作り方

  1. アワビは殻からはずし、うろを取って薄切りにする。
  2. かつお出汁に塩、酒を入れ、ウニ、アワビを
    ザルごと出汁にくぐらせ、サッと火を通す。
  3. お椀に2のウニ、アワビを盛り付けて、出汁を張り、
    仕上げに刻んだ大葉をのせる。

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いちご煮炊き込みご飯

いちご煮炊き込みご飯

洗って水気を切ったお米2〜3合に、いちご煮の缶詰1缶と分量通りの水を炊飯器に入れて炊くだけで、アワビとウニの炊き込みご飯の出来上がり。
簡単で豪華なのでおもてなしにもおすすめ。

いちご煮茶碗蒸し

いちご煮茶碗蒸し

いちご煮の具と汁を分け、溶き卵3個にいちご煮の汁を加えてよく混ぜ、裏ごしします。茶碗にいちご煮の具と卵液を入れ、蒸し器で10分ほど蒸せばOK。
ワンランク上の茶碗蒸しが楽しめます。

缶詰

階上町の特産品であるウニとアワビで仕込んだ加工品を使えば、アレンジ料理も簡単。
いちご煮の缶詰(¥1,300)、塩ウニ(¥1,500)。
階上漁業協同組合☎0178-89-2111

まだまだあります
階上の浜料理

三陸海岸の豊かな漁場に恵まれた階上町には、いちご煮以外にも多彩な郷土料理があります。めかぶの和え物も地元料理の定番。
三杯酢やおろし和え、野菜和えなどで味わいます。
また、アンコウやアイナメなどを肝と一緒に味噌で和える「ともあえ」も代表的な郷土の味。

アンコウのともあえ
アンコウのともあえアンコウは肝を取ってよく洗い、身を茹でてほぐしておきます。フライパンで肝を炒って味噌と酒少々を加え、味を調えたらアンコウの身を混ぜ合わせ、ネギを加えてサッと和えたら完成。
めかぶ和え
めかぶ和えめかぶはワカメの根の部分で、3〜6月ぐらいがやわらかくて美味しい時季。細く刻んで熱湯をかけて、色がグリーンに変わったら冷水に取り色止めして、大葉やポン酢をかけていただきます。

人情味豊かな横丁を巡りながら郷土料理を味わうのも八戸ならではの楽しみ

日本有数の漁場をもつ八戸は、イカの水揚げ量日本一を誇り、八戸前沖で獲れる鯖も地域ブランドとして全国的に有名。
古くから人や物が行き交う拠点として賑わい、朝市や横丁といった文化が発展してきました。
八戸に8つある横丁には多岐にわたる飲食店が軒を連ね、地元の味覚を気軽に楽しめます。今回は横丁初心者や観光客にも入りやすい「みろく横丁」を探索。店ごとに特徴があるので、はしごしながら食べ歩き、飲み歩きを楽しむのが正解。

料理もお酒も美味しくて女性一人で来ても楽しめます!

  • 八戸前沖さば八戸前沖で獲れる脂がのった大型の「八戸前沖さば」は、イチオシメニュー。〆サバや刺身でも味わえる。¥980
  • ホヤ刺ホヤは、三陸を代表する夏の味覚。新鮮な刺身は磯の香りが口に広がり、クセがなくて食べやすい。ホヤ刺 ¥750
  • いちご煮ラーメン貝と煮干しで取った澄んだスープに細い麺を合わせた上品な味わいのいちご煮ラーメン。¥980

寿庵

寿庵

おすすめは特産のイカとサバ締めはご当地ラーメンを

着物姿の女将さんが郷土料理でもてなしてくれるアットホームな店。八戸ブランドの「八戸前沖さば」とイカは常時扱っていて、とくにイカ料理は刺身、ポンポン焼き、腑鍋、塩辛、軟骨唐揚げなどメニューも豊富。いちご煮ラーメンや、めかぶラーメンなどのご当地ラーメンも評判です。

八戸市三日町25 ☎090-1060-0330
営業:17:00〜翌2:00 休み:日曜(連休の場合は月曜休)


ニット風カットソー×シャツ素材の配色レイヤードチュニック¥17,000デニム¥19,000(ともにキャラ・オ・クルス)

  • 八戸せんべい汁鶏の出汁に、野菜や南部せんべいを割り入れて煮込む八戸せんべい汁。アルデンテな食感は、小麦から作る専用のせんべいを使用するため。¥600
  • 糠塚きゅうり伝統野菜の糠塚きゅうり。
  • そばかっけ三角に切った蕎麦生地を入れた「そばかっけ」も八戸の郷土料理。ねぎ味噌やニンニク味噌で。¥650
  • 和え物季節のつまみは菊の三杯酢、身欠きニシンとミズの和え物。

家庭料理 わが家

家庭料理 わが家

昔ながらの家庭料理と八戸せんべい汁が評判

L字形のカウンターを囲んで和気あいあいとした雰囲気の中で、郷土の味を堪能できる店。
化学調味料を使わない体にやさしい家庭料理が評判で、なかでも手作りの八戸せんべい汁は看板料理のひとつ。
糠塚きゅうりや菊の三杯酢など、地元でしか味わえない季節のつまみもおすすめ。

八戸市三日町25 ☎090-7727-8676
営業:16:00〜24:00(23:30L.O.) 休み:月曜 

撮影/渡辺晃行 モデル/倉本康子 スタイリスト/鈴木仁美 ヘア・メーク/高梨 舞 取材・構成/秋山美英

STORY 2015年9月号より